そんな顔しなくても br⇔sh ページ26
シャークんside
※気持ちR15
｢いﾞっ...っつぅ〜！｣
がぶり。
効果音がつくならそんな感じ。
剥き出しの首筋に、尖った八重歯がくい込んだ。
｢っ、broooock...やめろ、痛い...｣
｢ん...だめ？｣
｢だめ。ぁっ、おい馬鹿...いﾞっ...てぇ！｣
赤みがかった茶髪を掴む。
振りほどこうとしても、後ろから抱きつかれた状態ではどうしようもない。
情事の後の甘い雰囲気はどこに行ったんだ。
噛みつかれた首筋が痛い。ひりひりする。
てかこれ血出てんじゃねぇか？
そうは思っても、彼は離れる気はさらさら無いようで、がぶりとまた違う場所に歯を立てた。
｢っ、おい、やめっ、｣
｢好きだよ、シャークん。｣
｢っ、分かった、から...やめろって...！｣
｢やだ、もっかい。｣
｢痛いのは俺なんだが？さっきも散々噛みついてきたろ...｣
腕に、腰に、脚に、首に。
足の付け根にまで残された紅い歯型。
目に見える執着程心地の良いものは無いけれど、数が多すぎると流石に痛みが勝る。
シーツの海に沈んでいる最中なら頭の中は常にぐちゃぐちゃで痛みも全て快楽に変わってしまうけれど、その波が落ち着いた今では、痛みはただの痛みとして脳みそに伝えられるのだ。
｢ったく......ん...はい、手ぇ解いて。｣
不満げに眉を顰める彼にご機嫌取りのように唇にキスを落とせば、ほんのりと耳が紅く染まる。
こういうのは、見ていて可愛い。
｢......ずるい。｣
｢何がだよ。｣
｢ね、もっかいキスして。｣
いいでしょ？と、まるで子供のオネダリみたいに囁かれる。
すっかり熱を孕んだ瑠璃色に、どこか背中がふるりと震えた。
｢...ずるいのはどっちだよ。...んっ、｣
｢ふ...っん......ね、舌出して。｣
｢やだ、｣
｢何で。｣
｢悪い顔してるから。｣
どうせそのまま、またベッドに沈められるに違いない。
そんな意を含めて彼を見遣れば、どうやら図星だったようで。
いかにも不満です、と言った顔で俺を見るけれど、機嫌が良いのは隠せてない。
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作者名：ローゼ | 作成日時：2020年8月8日 18時
