▽ ページ28
｢...ねぇ、誰を想ってたの？｣
思わず漏れた独り言。
さっきそんなのは虚しいだけだと笑った癖に、口から零れ出すのは簡単だ。
...ねぇ、君は、あの瞳の奥に誰を映してるの？
あの綺麗な青い瞳は、誰を見つめてるの？
楽しそうにラブソングを歌う時、君は一体、誰を想ってるの？
ただ歌っているだけじゃなかったんだ。
あの目は、明らかに誰かに恋をしていた。
...そんなに、素敵な人なの？
そんなに、その人が好きなの？
君の好きなその人は、ラブソングに出てくる主人公みたいに輝いているんだろうか。
.........ならきっと、俺は違うな。
そこまで考えたところで、はぁ、とため息が零れた。
すっかり暗くなったスマホに電源を入れて、再生の止まった失恋ソングをもう一度流す。
イヤホンをつけ直して目を閉じれば、脳内に彼の顔が思い浮かんだ。
...あぁ、やっぱ好きだなぁ...。
｢ねぇ、｣
虚空に向かって声を投げる。
その声は、歌にかき消されて俺の耳には届かない。
答えなんて到底返ってこない呼びかけに、まぁそうだろうと苦笑しつつ目を開けた。
＿ねぇ、もし。
もし、
失恋ソングを飲み込めば。
例え振られたとしても、｢君の幸せが1番だから｣と、笑っていられるだろうか。
綺麗さっぱり君への想いも打ち切って、新たな恋へ、1歩踏み出せるだろうか。
失恋ソングの主人公みたいに、君を想って泣いて、君を思って諦められるだろうか。
｢あぁきっと...俺には無理だな。｣
＿＿さぁ、
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ぶっちゃけこのフレーズが使いたかっただけ。
正直お相手誰でも良かった感...。
でもまぁ...ね？歌といえばknさんだし...ね？(震え声)
不安と嫉妬と香水の匂い kr⇔br→←失恋ソングを飲み込んで kr→kn
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作者名：ローゼ | 作成日時：2019年9月23日 15時
