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彼の連絡先に触れた指が震える。
嫌われたくない。
叶わないなら、いっそこのままで。
友達のままで。
だって、どうせ。
きっと君は。
きっと、俺を好きになってくれないだろ...?
そんなネガティブ思考が重なっていく。
いつまで経っても、臆病者のまま。
口に出すことすら出来ずに、嫌な事ばかり考えて、どうせ無理だと諦める。
...この恋だけは、諦めたくないのに。
リリリリリ_リリリリリ_
静かだった部屋に電話のコール音が響く。
...かけてしまった。
どうしよう。...切る?
いや、でも...。
......そうだ、あと3コールで出なかったら切ろう。
彼奴だって暇じゃない筈だし、多分出なi...
「...もしもし?」
電話先から聞こえた彼の言葉。
...嘘だろ、出てくれた。
その事実に頬が緩む。
歓喜で震えそうな声を隠して、電話に答えた。
「...もし、もし。」
「どうした?お前からかけてくるのなんて珍しいじゃん。」
「いや...まぁ...その、話したく、なって。」
我ながら酷い受け答えだ。
しどろもどろに質問に返せば、彼は電話の向こう側でくすりと笑った。
「ふっwいいよ、何話す?」
いつもなら弄ってくる癖に、今日は何も言わないのか。
心無しか、電話越しの彼の声は嬉しそうに聞こえる。
...そんな嬉しそうに言われたら、期待するじゃないか。
「......決めてなかった。」
「何それw...まぁ良いけどさ。俺もスマイルと話したかったし。」
なんでもないようにそんな事を言われて、頬が熱くなるのを感じた。
やめてよ、期待するじゃん。
もしかしたら、なんて考えちゃうじゃん。
抱え込んだ「好き」の感情が、心の中で暴れ出す。
ドキドキと胸が激しく音を立てて、恥ずかしいのを我慢するようにその場に蹲った。
「_好き......。」
ポロリと零れ落ちた愛の言葉。
あまりにも弱々しくて、情けない声。
気づいた時にはもう遅かった。
飲み込もうとした言葉は零れてしまった。
...あぁ、こんなつもりじゃなかったのに。
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作者名:ローゼ | 作成日時:2019年9月23日 15時