白尾さん達の恋模様4【BL】 (ページ17)

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空が泣いている ※死ネタ kn⇔nk ページ17

きんときside

雨の日が嫌いだ。
あの日を、思い出すから。
俺の人生の中で、最も最悪で、最低な日の事を。
...俺の前から彼が消えた、あの日の事を。
＿＿＿＿
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＿

あの日もこんな、雨の日だった。

空はどんよりと曇り、太陽の光なんて全く覗かない。
強い雨が窓を叩きつけて、じめじめとした空気が俺の体を包む。
何となくこういう日は、何もやる気が起きなくて。
ただぼーっと、窓の外を見つめるだけ。

ﾘﾘﾘﾘﾘ＿ﾘﾘﾘﾘﾘ＿

そんな風にしていると、スマホの着信音。
それは、彼からの電話だった。

「もしもし？なかむ？」
「あ！きんとき？今からさ、そっち行ってもいい？」
「ん、いいよ。」
「ありがと！じゃあね！」

元気いっぱいな彼の声。
憂鬱だった気分なんてどこかに飛んで行った。
久しぶりだな、彼奴が遊びに来るの。
彼が遊びに来ると知れば、行動は案外早い。
少し散らかった部屋を片して、彼の好きなお菓子を用意して。
ちょっとだけ身なりも整えて。
ある程度の準備が終わっても、彼は中々来なかった。
...どうしてだろう。ちょっと遅いな。

なんというか、嫌な予感？
きっと、気の所為だ。
雨の日だから、ちょっと気分が落ち込みやすいだけ。
それでも、彼は中々やってこない。
痺れを切らして、机の上に置いたままのスマホに、手を伸ばそうとした。

ﾘﾘﾘﾘﾘ＿ﾘﾘﾘﾘﾘ＿

それと同時に、スマホの着信音。
彼からの電話。
直ぐに手に取って、電話に出た。

「おい、なかむ？遅くね？」
「...あの、○✕病院の者なのですが...。」
「え？」
「このスマホの持ち主様が、事故に...会いまして...」

頭の中が真っ白になった。
彼奴が？事故？無事？怪我は？
ぐるぐると回る不安は、次の言葉で掻き消された。

「＿今さっき...息を、引き取りました...。」

そこからは、よく覚えていない。
ただ言われるまま、病院に向かって。
すっかり冷たくなった彼の手を取った。
いつも暖かかった彼の体温は、もう無くて。
いつも嬉しそうに俺の名前を読んでくれる彼は、もう何処にもいなくて。
...あまりに唐突で、あまりに酷すぎる現実に、ただ、泣き叫ぶ事しか出来なかった。