白尾さん達の恋模様4【BL】 (ページ29)

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ダメだって。寂しい、なんて言ったら。
彼奴を困らせるから。
いつも通りに笑って、見送って。
それでまた、1年後に笑顔で迎えなきゃ。
...だめなんだって...泣いたら...なんで...。

「...きんとき...。」
「ごめっ、ちが、ぅから...ごめ...っ」

泣いたら、彼を困らせるのに。
なんで出てくるの。
はやく、止まって。止まって...。

「きんとき。」

彼が俺の名前を呼んだ。
broooockは一旦荷物から手を離すと、指で俺の涙をすくった。

「＿好きだよ。...泣かないで。」

彼の口から零れた愛の言葉。
思わず涙が引っ込んだ。
濡れた瞳を彼に向けると、彼は、いつものように優しく笑っていた。

「...なに、それ...。」
「えぇ～酷いなぁw結構勇気出して言ったのにさ。」
「今言うことかよ...。」
「今じゃなきゃ、だめでしょ。」

彼が、優しく頭を撫でるから。
君が、優しく俺に笑いかけるから。
嬉しい、なんて思って。
幸せだ、なんて考えて。
そんなつもりじゃなかったのに。
笑って応えたかったのに。
涙を流すつもりなんてなかったのに。
さっき、泣き止んだ筈なのに。
俺の目から、また涙が零れた。

「ばかぁ...っ、」
「あーも～、泣かないでよ...w」
「泣いてないっ、」
「はいはい。」

変な所で意地を張って、涙を隠すように彼に抱きついた。

「俺も、好き...。」

俺が小さくそう言えば、彼は優しく俺を抱きしめ返した。

「...行ってくるね。」
「うん。...行ってらっしゃい。」

やがてゆっくりと俺達は離れ、broooockは飛行機の方へと向かって行った。

体は、まだ彼の体温を覚えていた。
抱きしめた時にふわりと香った、彼の洗剤の香り。
次に会えるのは1年後になるけれど、その時は、ちゃんと笑顔で迎えるから。

「頑張れよ！」

＿もう随分と小さくなった彼の後ろ姿にそう声をかければ、彼は振り向いて、優しく笑った。

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なんか前にこんな感じの文章書いたなぁ...と思ってたら、最初の短編集に上げた「いかないで」の曲パロのお話に似てたみたいですw
まだ読んだことない！って人はどうぞ(宣伝)

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