白尾さん達の恋模様3【BL】 (ページ2)

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雨宿り nk→kn ページ2

なかむside

※学パロ

「「あ、」」

2人同時に声を出した。
急に降ってきた雨。
天気予報は晴れと言っていた為に、傘を持ってきていなかった。
仕方なく昇降口で雨が止むのを待っていると、向こう側から見慣れた彼が走ってきていた。

「きんとき...お前も傘忘れたの？」
「そうなんだよw急に降ってきてさぁ...。
家よりも学校の方が近いから戻ってきちゃったw」

「濡れた濡れたw」なんて、笑いながら言う彼のワイシャツはびしょ濡れで。
濡れて透けた服から、うっすらと肌が見えた。
濃紺色の髪からは雫が滴り落ちて、顔にその細くて綺麗な髪が張り付いているのが、何だかすごく色っぽい。
急いでカバンを漁ってタオルで髪を拭くその仕草も、何故か官能的に思えてしまって目を逸らした。

「雨ヤバいな...w」
「...そう、だね。」
「すぐ止んでくれると良いんだけど...。」
「...う、ん。」

珍しくもないのに、二人きり、と言うだけで声は震える。
家には早く帰りたいし、雨も直ぐに止んで欲しい。
けど、君ともう少しだけ一緒に居たいのは、我儘だろうか。
雨の日は、正直あんまり好きじゃないけど、こんな風に二人きりになれるなら、たまにはいいかな、なんてね。

「タオルとか被って行けばワンチャン行けるか...？」
「やめときなよw絶対風邪ひくw」
「だよなぁ...。」

雨雲のおかげで結構暗くなってしまった空。
君の色とは言い難い、灰色の空。
そんな空を見つめる横顔ですらも、愛おしくて。
ほんと、好きだなぁ。なんて。
ぼんやり空を眺めながら思った。
伝えられたら、楽なのにさ。

「なかむ？大丈夫か？」

彼の整った顔が目の前に見えた。
心配そうに顔を覗く瞳は、青くて綺麗で、
吸い込まれそうになる。
至近距離にある彼の顔に、動揺しない訳もなくて。
顔を真っ赤にしながら「大丈夫！」とだけ返した。
ほんとに見ないで。恥ずかしいから。
なんでそんな風に行動出来るのさ。
こっちは君の一挙一動に心を奪われるって言うのに。

「＿あ、雨止んだ！」

気づけば、雨は少しずつ弱まってきていて。
灰色だった空からは、綺麗な青色が覗いていた。

「なかむ、一緒に帰ろ！」

俺の少し先を行く彼と、同じ色。
君と雨宿り出来るなら、雨の日も捨てたものじゃないけれど。
でもやっぱり、君の笑顔がより一層輝いていて見えるのは、晴れの日だから。
俺はやっぱり、晴れの日が好きかな。

...明日はずっと、晴れていますように。