白尾さん達の恋模様【BL】 (ページ22)

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お願い ※軍パロ sm→kn ページ22

スマイルside

［スマイル？大丈夫か？］

そう書かれたメモを、きんときが見せる。
彼、きんときは、声が出ない。
数年前の戦いで、声帯を切ってしまったからだ。
本来なら、その怪我は、受けるはずなかったのに...。
俺なんかを、庇ったから…。

スマ「大丈夫だ。ちょっと、ボーっとしてた。」
きん［何考えてたんだよw］
スマ「ちょっとな。」

笑いながら、メモ帳に書く。
その仕草を見る度に、心が痛くなる。
もう、彼の声は聞けない。
大好きな歌も、歌う事が出来なくなってしまった。

［気にすんなよ。］

怪我が治って、もう声が出せないと聞かされた時、きんときが俺に渡してきた紙にはそう書かれていた。

スマ「っ、そんなの、無理に決まってんだろ...。」

誰もいない自分の部屋で呟いたその言葉は、やけに響いて、俺の胸を締め付ける。
もう一度、彼の声を聞きたい。
明るくて、優しくかった。
聞いてると安心したあの声を、もう一度。

ｺﾝｺﾝｺﾝ＿

部屋のドアがノックされる。

スマ「開いてるぞ。」

俺がそう言えば、ドアはゆっくりと開いた。
どうやらもう夕食の時間のようで、俺を呼びに来たらしい。
ただそれだけなのに、自然と頬が緩んでしまう。

きん［今日は、ハンバーグらしいぞ。］

メモを渡して、俺を見つめる。
ｽﾞｷﾘ、胸が痛む音。
もうかなり経ったというのに罪悪感は無くならない。
自分のせいで怪我を負わせて、その上、声まで奪ってしまったのだから。
...最低だな、俺。
こんな俺が、彼奴のそばにいてもいいのか、なんて、何度考えた事だろう。
けれど、その度、何かを見透かしたようにきんときが笑うから、もう少し、ここに居たいと願ってしまうのだ。
＿＿＿＿
＿＿
＿

なか「おい、お前ら遅いぞ！お腹空いた！」
きり「やっほスマイル、きんとき。あと、なかむはさっさと食って残ってる書類をやれ！どんだけ溜まってると思ってんだよ！」

騒がしい食堂。
6人揃うとやっぱり楽しい。
でも、聞こえるのは5人の声だけ。
俺はほとんど喋らないから4人か。