白尾さん達の恋模様【BL】 (ページ21)

今日:25 hit、昨日:36 hit、合計:228,787 hit

きんときside ページ21

「雨の日」のきんときsideのお話です。
完全にノリで作ったので、内容がぐちゃぐちゃです。すいません＜(_ _)＞

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

雨の日が好きだった。
雨の日独特の臭いや、少し冷たい空気。
色とりどりの傘で埋め尽くされる道路。
傘に跳ねる雨音。
歩く度に音を鳴らす水たまり。
何より、俺の色だった。
前、それを彼に言った時、

「雨は透明だぞ？w」

なんて言われたっけ。
でもね、本当はちょっと違くて。
彼奴は覚えてるのかな。
告白された日が、雨の日だった。
幸せな、記念日が。
だからこそ、雨の日が好きだった。

傘をさして、外に出た。
もうここには帰らないから、合鍵はメモと一緒に置いてきた。

「ごめんね」

謝っても謝りきれない。
自分から別れを告げた癖に、涙が溢れて止まらない。
きっとまだ好きなんだ。彼の事が。

きっかけは本当に些細な事だった。
彼奴は、あんまり俺に愛を伝えてくれない。
好きだとちゃんと言ってくれたのは、数える程度で。
それが、ただただ、不安だった。
分かってる。
本当は分かってる。
彼奴が、ただ、不器用なだけな事。
分かってる。
分かってるけど、それでも。
一度抱いた不安は消えなくて。
彼奴と過ごすのが、少し辛くなってしまった。
自分勝手だ。
それもよく分かってる。

きっと彼奴は、自分を責めるんだろう。
優しい奴だから。
でも、こんなのただの、俺の自己満足でしかないから。
自分を責めないで、なんて。
俺が言った所で、だな。

＿ﾘﾘﾘﾘﾘ＿ﾘﾘﾘﾘﾘ＿

スマホの着信音が響いた。
画面には、「きりやん」の文字。
あぁ、ごめんね。
声を聞いたら、戻りたくなってしまうから。
きっとまだ好きだけど。
俺じゃ彼奴には勿体ないから。
なんてただの言い訳か。
ごめんね...ごめん。

＿雨の日が好きだった。
今はもう、嫌いになりそうだ。
彼を自分の自分勝手で傷つけたのは、雨の日だから。
よりにもよって、彼の嫌いな雨の日に別れを告げた自分が、憎いから。

雨の臭いは、鬱陶しくて。
冷たい空気は1人には寂しすぎて。
色とりどりの傘で埋め尽くされる道路も、目に毒だ。
傘に跳ねる雨音も、煩くて仕方ない。
歩く度に音を鳴らす水たまりのせいで、靴はびしょびしょ。
...何より雨は、俺の色じゃないから。

ごめんね、嘘を吐いた。
本当は、君に告白された日の事を思い出してしまうから、かな...。