白尾さん達の恋模様【BL】 (ページ13)

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花吐き病 br→kr ページ13

broooockside

※奇病パロ、嘔吐表現、オリジナル設定含みます

今日も、見ている。
教室で、君の後ろ姿を。
いつも、無意識に君を探してしまう。
これが恋だと気づいたのはいつだったっけ。
今日も、楽しそうに他の人と会話をしている。
人気者の彼だ。周りに人が集まるのは当然の事。
その事を理解していても、可愛い女の子と親しげに話しているのを見て、胸がチクリと音を立てた。

なんで、男に恋なんて、したんだろうね。

なんで、叶わない事を知ってるのに、諦められないんだろうね。

なんで、君は僕の視線にいつも気づくのかな？

授業中、休み時間、部活。
いつも君を見ていて、それで、必ず目があってしまう。
目が合ったら、ちょっと嬉しそうに笑いながら手を軽く振ってくれる。
それだけで、とっても嬉しくて、舞い上がってる事に、君は気づいてるのかな。
恋とか、したくなかったなぁ...。
だって、辛いんだもん。
初恋がさ、男なんて、おかしな話。
絶対に叶わない、初恋。
それでも君を見るのは止められなくて、僕の知らない君を見つける度に、胸が締め付けられる。
苦しい、苦しいよ。
どうしようもなくなって、ぐちゃぐちゃになって。
何度も何度も涙を流した。

「うっ、おぇ...かっ、は...え？」

突如訪れた吐き気に襲われて吐き出せば、そこには黄色い小さな花が幾つもあった。

「何...、これ...。」

戸惑いを隠せずに、そんな声を漏らした。
花が口から出てくるなんて、そんな事、あるはずない。
とりあえずスマホで、［花吐く何故？］と検索してみた。
すると、花吐き病と言う病気である事が分かった。
世間には知られていない病気で、片思いを拗らせるとかかってしまうのだそう。
...治療方法って、あるのかな？
そんな事を思いながら画面をスクロールしていると、1つ、それらしき物を見つけた。

「百合の...花？」

どうやら、完治するには百合の花を吐き出す必要があるらしい。
失恋したなら、黒い百合の花。
その恋が実ったなら、白銀の百合の花を吐き出すらしい。
...きっと、僕から吐き出されるのは、黒い百合の花だろうな。