嘘吐き ※死ネタ、軍パロ sm→kr ページ10
スマイルside
彼奴＿きりやんは嘘吐きだ。
毎日のように俺に嘘を吐いて、からかってくる。
最初はその事に怒りを感じていたけれど、彼が俺にしかしていない、という事実に、特別感を覚えている。
...まぁ、本当にただからかってるだけなんだろうけど。
彼に特別にされている、という事に嬉しさを感じてしまうこの感情が、世にいう恋愛感情だと気付くのに、時間はかからなかった。
でも、恋愛感情だと気付いたからと言って、何かをする訳じゃない。
戦争塗れの世界だ。
恋愛なんかに現を抜かしている場合ではないんだから。
好きだと伝えるなんて、そんな事、出来るわけがない。
＿＿今日も彼奴は、俺に嘘を吐きに来た。
「なぁスマイル。」
「何？」
「俺さ、隣国のお姫様に求婚されちゃった。」
「...どうせ嘘だろ。」
「あ、やっぱバレた？こういう系統の嘘はやっぱバレるのかぁ...。」
彼に求婚された、と聞かされた時は、心臓が飛び出るかと思ったけど、よくよく考えれば、これもきっと、彼奴の嘘だ。
「...ねぇスマイル。」
「何だよ。」
「もし俺がさ、本当に求婚されてたとして、結婚する事にしたら、お前はどう思う？」
その質問には、答えられなかった。
でも、答えは決まっている。
嫌、だ。
けれど、言わない。
と言うより、言えない。
だって、どうせそう言ったら、彼奴は、なんで？と聞いてくるから。
お前が好きだから、なんて、言える訳がないだろう。
誤魔化した所で、俺の下手くそな嘘は簡単に見破られてしまうだろうし。
俺が黙りでいると彼奴は、
「素直に言えば良いのに、」
と言って、俺の頭を撫でた後、黒衣を揺らして何処かに行った。
あの言葉を言っていたきりやんは、何故か寂しそうな表情をしていて。
その意味は、どれだけ考えても分からなかった。
その日から、数日経った日の事だ。
「隣国から、宣戦布告が届いた。」
いつもより緊張した表情のなかむが、重い口を開いてそう言った。
隣国はそこそこ強い国で、WT国とほぼ同じ位の戦力を持っている。
正直、勝てるかどうかは断言出来ない。
皆、緊張した面持ちで作戦を聞いた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
続きます→
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作者名：ローゼ | 作成日時：2019年4月14日 22時
