愛して nk⇔br ページ7
broooockside
※依存系
夜中、ふと目が覚めた。
何かの物音で起きた訳でも、嫌な夢を見た訳でもなく、ただ、何となく目が覚めた。
目が覚めて、暫く機能していなかった頭が、1つの異常を見つけた。
なかむがいない。
それだけで、眠気なんてものは直ぐに吹き飛んだ。
あれ？
なんで？
だって、さっきまで、一緒に愛し合ってたのに。
なんで、勝手に...？
ぐるぐると思考を巡らせていると、1つの最悪な考えが浮かんだ。
「捨て...られた？」
浮かんできてしまったその考えは、何故か心にすとんと落ちて、僕の不安を1層煽る。
なかむが寝ていた筈の僕の隣は、熱なんてものはまるで持っていなくて、大分前に抜け出した事が分かってしまった。
「ぁ...、ぃや、やだ、やだやだやだ、」
彼がいないのが嫌。
僕から離れて欲しくないの。
あぁ、探しに行かなくちゃ。
そう思っても、体は何故か動かなくて。
あぁ、彼が居ないとこんなにも自分は何も出来なくなるのか。
「戻って...来てよ…。」
つぅっと、自分の頬に暖かいものが流れた。
涙なんて久しぶりだ。
最初は1粒しか流れなかった涙は、どんどんと溢れ出して、止まらなくて。
涙の止め方って、なんだったっけ。
どうやれば、止まるんだっけ。
どうすれば、この胸の痛みは、無くなるんだっけ。
いつまで経っても止まらない涙をそのままにして、小さく嗚咽を漏らした。
「...ぇ、broooock！？」
扉が開く音がした。
そんな事も気にとめずにひたすら涙を流し続けていれば、愛しい声が聞こえた。
愛しい、愛しい、僕だけの声。
「な、かむ...？」
何とか絞り出した台詞に、なかむは1層焦りを強くして、僕を優しく抱きしめた。
なか「どうしたの？何があったの？」
優しく、優しく、僕の背中を撫でながら、優しく聞いてくる。
ぶる「ぃな、かったから。」
なか「ん？」
ぶる「なかむが、居なかったから。捨てられたと、思、った...。」
捨てられたくなかったの。
ずっと愛されたかったの。
不安になるの。
ちょっとでも、離れられたら、嫌われたんじゃないかって、捨てられたんじゃないかって。
なか「ごめんね。ちょっと買い物行ってただけだから。泣かないで。捨てないから、大丈夫だから。」
そう言ってなかむは、僕の瞼にそっとキスを落とした。
不思議と涙が止まるそれに、僕は一言、愛の言葉を吐いた。
「愛してるから...捨てないで。」
「...大丈夫だよ。俺も愛してるから。」
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作者名：ローゼ | 作成日時：2019年4月14日 22時
