白尾さん達の恋模様【BL】 (ページ48)

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ねぇ ※曲パロ nk→sh ページ48

なかむside

気分転換で始めた、夜のランニング。
夜なだけあって空気がやたらと冷たい。
月明かりに照らされて道路に写った影は1つだけれど、別に、独りにされたわけではない。
勝手にぼっちで、勝手に独りぼっちを選んだだけ。
辺りを見回したところで、光のある所は当然賑わっている。
ふと、我に帰った俺は、イヤホンの音量を少しだけ上げた。
このままだと、思い出しちゃう気がしたから。
最初は、そっと、ぎゅっとしてくれるような相手が欲しいって思っただけだった。
別に今更、相手がいないなんていつものことさ。
ねぇ、そうでしょ？

『俺は、ずっとなかむの事、好きでいるからな！』
『うん、俺も、ずっと好きでいるよ。』
『約束だぞ！』

...2人の口約束なんて物は、信じただけ。
裏切られるのだって、どうってこと無かった筈なのに。
それなのに、起こって、また怒って。
胃も痛くなって。
気がついたら、君は黙ったまんまだったね。
そんでいつも俺が謝ったね。
「言い過ぎてごめんね。」ってさ。
不安と不満ばっかり貯まって行って。
でも、「好き」って言って笑うと、なんかそんな事も全部忘れてしまうような、魔法みたいな君の笑顔にいつも騙されてたんだ。

ねぇ、聞いて、ねぇ、聞いて。

「君と俺は、上手くやっていけないや。」

だって、だって、だって。
好きな気持ちの天秤は、傾いてるじゃんか。
俺ばっかり、君を愛してるじゃんか。
君に愛されて無いって分かったら、君のむくんだほっぺをぷにってつまんだって、前みたいに可愛いって思えなくなっちゃった。