【 第15話 】 ページ17
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先日渡されたあの紙の正体が示す、今後の自分の行動について。
誰を信じ、誰を疑い、誰を拒絶するべきか。
僕がするべきことは……。
「同棲なんて聞いてませんよ!」
朝っぱらから元気に叫ぶ敦の声で鈴木の意識は戻された。
どうやら、鏡花と敦が同棲することについて揉めているらしい。
しかしいくら頑張ったところで相手はこの社の先輩、上手く丸め込まれて終わってしまった。
「敦で遊んどる暇があったら、ポートマフィアに捕らわれた件の報告書を出せ。」
独歩はパソコンから目を離さず、カタカタを打ちながら報告書の催促する。
驚いたことに、諦めず報告書を後輩に押し付ける先輩がいた。
「敦君、私の代わりに報告書を書きたまえ。」
嫌がる敦。……まぁ、当然な話だが。
「君に懸賞金をかけた黒幕の話でもかい?」
「分かったんですか?」
驚く敦に治はUSBを出して続けた。
「ポートマフィアの通信記録によると、出資者は組合と呼ばれる北米異能者集団の団長だ。」
北米、ということはアメリカか。話がどんどん大きくなっていく。
だが、話によると組合は都市伝説レベルだ。嘘かもしれない。
考える皆の耳に届いたのは外の騒音。この音は、聞いたことがある……。
「大変です!」
血相を変え、慌てて入ってきたのは潤一郎。
只事ではない、と確信した皆は後について外へと走っていく。
近くの道路に止まっていたのはヘリコプター。
そこから降りてきたのは三人の外国人。
……先手を打たれた。ち、と静かに鈴木は舌打ちをした。
しかし、先手だろうと黒幕だろうと、今の彼らは『客人』だ。
客人はまず社長室へと通される。
人数が多くて下手に警戒されても困る、と同行したのはナオミ一人だけ。
賢治は玄関から社長室までを案内する係となり、その他は別室で待機する形になった。
話の内容も全く分からない距離の部屋での待機だ。
訳の分からないことに対する不安と苛立ちが募っていく。
「……このまま賢治君たちが攻撃されるなんてこと、ないですよね?」
先程までの元気さはどこへやら、不安に押し潰されそうな声音で敦が漏らす。
誰も何も言わない。心のどこかでそんなことはないだろうと思っていたからだ。
しかし、それが本当になることを、まだ彼らは知らない。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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新美南吉@文アル大好き💛 - もっと文アルメンツとのからみを増やして頂きたいです (2023年3月11日 1時) (レス) @page18 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
朱備(プロフ) - サーモニウムさん» コメントありがとうございます。ちょっと変わった始まりにこだわったので、気付いていただけてとても嬉しいです。中々更新できない状態が続いていますが、よろしくお願いします (2018年10月10日 21時) (レス) id: a1b9f2f616 (このIDを非表示/違反報告)
サーモニウム(プロフ) - クロスオーバーの仕方が独特で、とても面白いです!更新を楽しみにしながら応援しています!!! (2018年10月10日 16時) (レス) id: d876c6f450 (このIDを非表示/違反報告)
朱備(プロフ) - 杞憂さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。とても遅い更新となっていますが、これからもこの作品を宜しくお願いします (2018年1月10日 18時) (レス) id: a1b9f2f616 (このIDを非表示/違反報告)
杞憂(プロフ) - すごく面白いです!クロスオーバー作品ってあまり好きでは無かったんですけど、この作品は大好きになりました!これからも頑張ってください! (2018年1月10日 17時) (レス) id: bbdda47fdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱備 | 作者ホームページ:http://kakyoinlove
作成日時:2017年12月3日 17時