【 第11話 】 ページ13
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「ふふ、御馳走様でした。たまにはあんなカフェもいいですね。」
ニコニコと満足そうに歩く夏目と、真顔で財布を握り締める鈴木。
甘いものを食べたので、今は帰路へついている。
「しかしまぁ、随分と大きなことをやってのけましたねぇ。
ポートマフィアなる者を相手に、交渉を頼み込むとは。」
愉快そうに笑った夏目の横で鈴木はクスリと笑ってみせる。
「これぐらいしなければ何も変わらないと思ったので。
……僕だって、やる時はやりますよ。」
そう。鈴木は一葉に『鈴木とポートマフィアとで同盟を組まないか』と提案したのだ。
たかだか１人の、訳も分からぬ人間と同盟を組む訳がない？
いや違う、と鈴木は考えた。
鈴木は現世に文豪を転生させ、一説を唱えれば北原や夏目のように呼ぶことが出来るし、ある程度なら錬金術を用いて物質を変形させることができる。
そして鈴木は錬金術や異能力とは言わずにこれを一葉に伝え、同盟の申し込みをした。
さて、するとどうなるのか。
彼女はきっと『異能力では無い不思議な力を使う男がいる』、と報告するだろう。
そしてその男は四迷の味方だと思っていたが実は違い、さらに部下を助けられたのだ。
ならば、聡明なマフィアの上司ならば鈴木を放ってはおかないだろう。
少なくとも、話ぐらいはしようと思うはずだ。
……とまぁ、これを一葉に持ち帰って貰い、上司に話してもらうということで話は終わった。
これが、どう転がるか。
「逆に、彼女の上司が何も思わなかったら僕はどうしようもありませんけれど。」
暗い顔をして潰れた財布をポケットへとしまいながら言う。
提案を上げたとはいえ、相手はポートマフィアという血と暴力とを貨幣にするような世界の住民に、果たして１人の人間の要望が通るのか？
話をすると言ってそのまま始末されたとしてもおかしくはないし、正直不安でもある。
そんな不安が通じたのか、夏目が口を開く。
「司書さんのことはある程度北原君から聞いていますよ。
こちらなら大丈夫です、徳田君たちが頑張っていますからね。」
励ますように、優しく。
「あせってはいけません。ただ、牛のように、図々しく進んで行くのが大事です。」
─▽─▼─▽─▼─▽─
夏目漱石 『避暑中の芥川龍之介に宛てた書簡』
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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新美南吉＠文アル大好き💛 - もっと文アルメンツとのからみを増やして頂きたいです (2023年3月11日 1時) (
レス) @page18 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
朱備(プロフ) - サーモニウムさん» コメントありがとうございます。ちょっと変わった始まりにこだわったので、気付いていただけてとても嬉しいです。中々更新できない状態が続いていますが、よろしくお願いします (2018年10月10日 21時) (レス) id: a1b9f2f616 (このIDを非表示/違反報告)
サーモニウム(プロフ) - クロスオーバーの仕方が独特で、とても面白いです！更新を楽しみにしながら応援しています！！！ (2018年10月10日 16時) (レス) id: d876c6f450 (このIDを非表示/違反報告)
朱備(プロフ) - 杞憂さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。とても遅い更新となっていますが、これからもこの作品を宜しくお願いします (2018年1月10日 18時) (レス) id: a1b9f2f616 (このIDを非表示/違反報告)
杞憂(プロフ) - すごく面白いです！クロスオーバー作品ってあまり好きでは無かったんですけど、この作品は大好きになりました！これからも頑張ってください！ (2018年1月10日 17時) (レス) id: bbdda47fdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱備 | 作者ホームページ：http://kakyoinlove
作成日時：2017年12月3日 17時
