【 第10話 】 ページ12
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変人、とは変わっている人のことをいう。が、目の前にいる男はそんなレベルではない。狂っている。
もがく蟻を踏み潰しても何も思わない、それと同じなのだ。
微笑みながら鉄柱を振り回す攻撃を、女性と共に避けながら考えてゾッとする。
「『吾輩はここで始めて人間というものを見た。』
……っ、夏目先生！」
せめてもう１人、助っ人が欲しい。
叫んだ直後、僅かによろめいた女性に振り下ろされる鉄柱を防いだのは一本の剣。
かなりギリギリだが、間に合った。
「私も忙しいのですけれど……仕方がないですね。」
やれやれと首を振る夏目を見て唖然とするのは１人。興味深そうなのは１人。
「ほう……、面白い異能力ですねぇ。」
「なっ、貴様も異能力者か！？」
慌てたように女性が問うが、今はゆっくり答える暇は無い。
「申し訳ありませんが後でお願いします。ご婦人、名前はなんというのですか？」
「……樋口。樋口一葉だ。」
その名を聞いて夏目が驚いたように目をパチクリする。
鈴木は不服そうに名を名乗る一葉に
「一葉さん、僕が合図をしたら射撃をお願いします。」
と頼み、夏目に目線を送る。
夏目は一つ頷くと鉄柱を流し、そのまま狙うは四迷の脚、避けるために重心がずれる。その一瞬を、鈴木と一葉は逃さない。
「一葉さん！」
「分かっている！」
叫びながら、かつて鈴木に向けていた銃を四迷の反対の脚に向けて撃った。
見事命中、ブレも無い綺麗なフォームだった。
痛みに顔を歪める今がチャンス、もう、今しかない。
鈴木は足にぐっ、と力を込める。
「逃げましょう！！」
「はぁ！？」
こんな相手ともう相手をしたくない。さっさと逃げるに限る。
鈴木、夏目、一葉はひたすらに走って、走って、走ってようやく路地裏から出た。
……四迷は追い掛けてこないようだ。良かった。
肩で息をしながら不機嫌そうな一葉と夏目に話し掛ける。
「……あの。」
じっ、と鈴木を見つめる４つの瞳。
「そこのカフェで、まとめてみませんか。」
僕がお会計をするので、と付け足せば二人の顔が途端に輝いた。
─▽─▼─▽─▼─▽─
・夏目漱石 『我輩は猫である』
・夏目漱石の兄と樋口一葉と結婚の予定があった (夏目漱石と樋口一葉と、との話もあるらしい)
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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新美南吉＠文アル大好き💛 - もっと文アルメンツとのからみを増やして頂きたいです (2023年3月11日 1時) (
レス) @page18 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
朱備(プロフ) - サーモニウムさん» コメントありがとうございます。ちょっと変わった始まりにこだわったので、気付いていただけてとても嬉しいです。中々更新できない状態が続いていますが、よろしくお願いします (2018年10月10日 21時) (レス) id: a1b9f2f616 (このIDを非表示/違反報告)
サーモニウム(プロフ) - クロスオーバーの仕方が独特で、とても面白いです！更新を楽しみにしながら応援しています！！！ (2018年10月10日 16時) (レス) id: d876c6f450 (このIDを非表示/違反報告)
朱備(プロフ) - 杞憂さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。とても遅い更新となっていますが、これからもこの作品を宜しくお願いします (2018年1月10日 18時) (レス) id: a1b9f2f616 (このIDを非表示/違反報告)
杞憂(プロフ) - すごく面白いです！クロスオーバー作品ってあまり好きでは無かったんですけど、この作品は大好きになりました！これからも頑張ってください！ (2018年1月10日 17時) (レス) id: bbdda47fdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱備 | 作者ホームページ：http://kakyoinlove
作成日時：2017年12月3日 17時
