甘いもの ページ9
ガヤガヤガヤガヤ。
五月蝿い。
酒と焼き鳥の匂いの充満する店内。
けれど、そこの酒や料理は本当に美味しくて、Aはびっくりする。
「これ。居酒屋のクオリティじゃないですよ!!」
多種多様なメニューに舌つづみしながら言うAに風見は「私も最初はそう言ったんだが」と苦笑する。
「じつは、ここ 友人の店で、居酒屋にするってきかなかったんだ。」
(居酒屋なのに)なんかおしゃれなパスタを食べながら(Aにはそれがなんなのかわからない)風見は言う。
「楽しいのが好きなんだって」
どうにもならないことをどうにかしたくて、それは、できないんだけれど、
わかっているんだけれど、もどかしい。
そんな思いを思春期の頃はしていて、もちろん。今もしているけれど、
今よりも多くて、
なにかひとつでも忘れてしまおうと、勉学やスポーツに没頭していた。
「ねぇ Aくん」
姉に貰った 甘いもの がその味が、お砂糖が、
今もAを縛っている。
その呪縛は、
姉のせいなんかじゃないのに
それでも 姉がきっかけで、
まだまだ 振り切れそうにない。
「...甘いものを、時々過食してしまうんです」
Aは唐突に口を開いた。
「ストレスとか たまると、過食したり、あと、考えすぎたり、とか」
Aの拙い言葉をちゃんと待ってきいてくれる風見。
(ほんと、優しいな。この人は)
「たぶん。というか。理由は...」
「ここは私が払おう。
ありがとう。話してくれて、
また 相談してくれると嬉しい。
あまり力になれなくてすまない」
ぽんぽんと撫でられる頭。
この人が上司で本当によかった。
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よつばいろの海(プロフ) - nanoka(*´∀`)さん» 終わり。です。 そんな。身に余る言葉、ありがとうございます。とても嬉しいです。わざわざコメントありがとうございました。 (2018年7月10日 7時) (レス) id: 13a3839087 (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀`)(プロフ) - 終わり、なんですね。少し寂しいです。あ、こんな素晴らしい作品を作って下さりありがとうございました。降谷さんつらいですね。まさかの部下だったとは思わなかったでしょうに。本当にありがとうございました。 (2018年7月9日 21時) (レス) id: 8bd0f313b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よつばいろの海 | 作成日時:2018年6月5日 7時