不幸事 ページ36
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「A...?」
いままで聞こえていたはずの音は、降谷の世界にはもう無かった。
「なんで...?」
遺影をみて、Aの姿を見つけて、ただ。
(どうして...?)
疑問符だけが頭を支配する。
「てか...お前.....」
ひとことも。
言わなかったじゃないか。
友だちやめるって、それ、だって
ゆっくり近付いて、見てしまった遺体の顔は、
やっぱり、Aで、
殴られたような衝動に駆られる。
真っ青なその顔に震える手を伸ばすけれど、
ガラスに邪魔をされる。
その ふれられない体温だけが真実で、
(そういうことじゃないだろう...!!!)
弾けるようにその場から逃げ出した。
駄目なのに、
こんなことしては、
わかっている。特別扱いなんて、いけない。
けれど、
我慢できなかった。
「そういう。こと。じゃない...だろ!!!
...馬鹿、野郎...!!!!!」
どうすればいい。
この感情を、どうすればいい。
この 疼いた、やり場のない。
名前のわからない感情を、
どうすればいい。
人目の無い。
独りの空間で、ただ、
降谷は、
瞳から溢れてくる透明な雫を、止めることなんかできなかった。
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よつばいろの海(プロフ) - nanoka(*´∀`)さん» 終わり。です。 そんな。身に余る言葉、ありがとうございます。とても嬉しいです。わざわざコメントありがとうございました。 (2018年7月10日 7時) (レス) id: 13a3839087 (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀`)(プロフ) - 終わり、なんですね。少し寂しいです。あ、こんな素晴らしい作品を作って下さりありがとうございました。降谷さんつらいですね。まさかの部下だったとは思わなかったでしょうに。本当にありがとうございました。 (2018年7月9日 21時) (レス) id: 8bd0f313b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よつばいろの海 | 作成日時:2018年6月5日 7時