2時間 ページ29
｢どーしたんですか？
暗い顔して｣
いたずらに顔を覗き込んでくる榎本。
それすら 煩わしい。
｢いえ。なんでもないです｣
硬い表情。きっと とても不自然なのに、榎本は何事も無かったかのように｢そーですか｣と言って仕事に戻る。
｢...きかないんですか？｣
｢言いたくないんでしょう？｣
安室の言葉に榎本はそう言って食器を洗いだす。
ポアロに来ていた客はお昼どきのピークを越え、今はひとりもいない。
｢話せるなら話してください。
今日ずっと笑顔がいつも以上に胡散臭いです｣
視線ひとつ安室にやらずに淡々と言う榎本。
｢それ、僕がいつも胡散臭いみたいじゃないですか｣
そう言って苦笑する安室に｢何を今更｣という表情をなげる榎本。
｢友だちやめると言われました｣
｢Aさんですか？｣
榎本の言葉にむせそうになる。
｢なっんで。！？｣
本気で驚いた顔をする安室に｢みればわかります｣とすました顔で言う。
｢喧嘩したなら 仲直りすればいいんです。
子供でもわかる。簡単なことです｣
洗い終わった食器を移しながら、榎本はそう。淡々と言った。
｢...｣
黙り込んでしまう安室に子供に言い聞かせるようにゆっくり発音する。
｢友だちやめると言われて、安室さんは、悲しかったんでしょう？怒ったんでしょう？
それは、立派な けんか です｣
(あぁ 怒ったのか。...)
そう言われて、初めて安室は感情の意味を理解した。
｢でも 電話もLINEも メールもだめで...｣
｢2時間で帰ってきてください｣
扉を指差す榎本に、
｢...わかりました｣
安室はポアロを追い出された。
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よつばいろの海(プロフ) - nanoka(*´∀｀)さん» 終わり。です。 そんな。身に余る言葉、ありがとうございます。とても嬉しいです。わざわざコメントありがとうございました。 (2018年7月10日 7時) (
レス) id: 13a3839087 (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀｀)(プロフ) - 終わり、なんですね。少し寂しいです。あ、こんな素晴らしい作品を作って下さりありがとうございました。降谷さんつらいですね。まさかの部下だったとは思わなかったでしょうに。本当にありがとうございました。 (2018年7月9日 21時) (レス) id: 8bd0f313b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よつばいろの海 | 作成日時：2018年6月5日 7時
