【HQ】ある日、好感度が見えるようになった。

5.5 ページ31

選択肢が表示される。



“私も、好きだよ。”



“ごめん。”






選択肢を選ぶ指が、少しだけ震える。



ごめん、本当に、ごめんね。リエーフ。






『ごめん！私そう言うのよくわかんないや！』



笑顔で、元気いっぱいそう答える。


灰羽「えぇ！？今行けそうな雰囲気だったじゃないすか！」

『どういう雰囲気よ。いやでも、ほんとにごめんね？』



断られたリエーフは、バツが悪そうな顔でそっぽを向いている。




ここから、ゲームオーバーにならないようにするのは、私の努力次第。



『春高予選前だよ？恋にうつつを抜かしてる場合あるの？』

灰羽「うぅ……そうですけどぉ」

『私がリエーフのことちゃんと断ったのは、リエーフを信頼してるからだよ。』



断っても、リエーフなら部活内気まずくなることもないだろうし、これからもいつも通り接してくれると思ったから。



そうリエーフに伝えると、涙目でこちらを見た。


『なっ、泣くことないでしょ！？』

灰羽「そんなこと言われたらもっと好きになっちゃいますッ！！！」

『えぇ』



困った顔で笑うとリエーフはこちらを見た。



もっと好きになると言って、ちゃんと好感度が上がってるあたり、彼は本当に私のことが好きなのだろう。





羽織られたパーカー越しに、リエーフに抱きしめられる。






灰羽「……ぜったい、春高全国行って、活躍して、振ったこと後悔させてやります」

『うん、そうさせてくれるの待ってる。』










灰羽リエーフ、攻略失敗。





最終好感度、92









次の日、また部活でリエーフに会うと、頭の上の好感度は消えていた。

5.55→←5.4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す