【HQ】ある日、好感度が見えるようになった。

3.1 ページ15

『ツキシマくん、これ、ありがとうね』


朝ごはんが食べ終わり、それぞれが練習の準備を始めているときに話しかける。あまり人目につかない廊下で、小声で。


月島「いえ、大丈夫です。」

『ごめんね、昨日マネージャーの人たちに見られちゃったから、何か詮索されるかも。』

月島「……」



そんな明らかに嫌そうな顔をしなくなっていいじゃないか、とショックを受ける。


『ほんとにごめんね。』


しょんぼりした顔で言うと、ため息をつきながらも大丈夫です、と答えてくれた。やっぱり根は優しいなぁ。



「月島くん！練習始まるよ。」

月島「あ、うん。」

『もうそんな時間か！ごめんね、呼び止めて！』

月島「いえ。」

「Aさん、ちょっといいですか？」



シオリちゃんに呼ばれて少し離れたところに行く。



「あの、Aさんは月島くんを狙っているんですか？」

『え、いや、そう言うわけじゃ……』

「なら、譲ってくださいよ。」



聞いてないのに、彼女はペラペラと話し始めた。



要約すれば、ただでさえ月島は攻略難易度が高いのに、ライバルになられても困る、とかそう言うことを言っていた。


まぁそうだよね。自分の推しを他の人に取られたくない人もいるよね。



『うん、わかった。でもこっちもゲームオーバーにはなりたくないから、必要最低限は話すことはあると思う。先にそれは謝っておくわ。』

「……」

研磨「A、練習始まるよ。」

『ごめん、今いく！シオリちゃんも行こう。』



ずっと真顔のシオリちゃんが、少しだけ怖いと思ったが口には出せなかった。

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