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稲荷崎高校男子バレーボール部では、実は、年々マネージャーを募集していた。しかし、強い高校だからこそ起こりうる課題が、男を目当てに入部する女子が多かったことだ。そのためここ数年はマネージャーの募集はしていなかった。それが暗黙の了解みたいなところもあった。
それでも、去年の主将たちは悩んでは、今年こそはマネージャーを募集しよう!と決断したのだ。効率の良い練習のため、そして、可愛い女に応援して欲しかったため。
それがあっけなく失敗に終わったのは、去年入学した宮兄弟が原因……と言ってはかわいそうだろうか、宮兄弟含めた部員と付き合うことが目当てのマネージャーしか入ってこなかったからだ。
アラン「それがトラウマで、俺ら、特に双子はマネージャー希望の女子に苦手意識があんねん。」
大耳「マネージャー候補のうち1人は、ストーカーっぽくなってしまったからな。」
『た、確かに……そんなことがあるんなら、拒絶するのも無理はないですね。』
北「でもいつまでもマネージャーを拒んでたらうちのチームのためにもならん。それに俺らの中にはプロを目指すやつだってぎょうさんおるやろ。こういう対応にも慣れとかなあかん。」
北さんは、どこまでも先を見ているんだな。部員みんなのことを、誰よりも考えている。
『……ウチも、足手纏いにならないよう、頑張ります。』
自分は、何をしにマネージャーになったのか。
彼らのプレイを1番近くで見て、1番近くで支えたかったから。
彼らを1番なチームにさせたかったから。
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作者名:七瀬七海 | 作成日時:2024年3月6日 23時