8.4 ページ48
春高予選が始まった。
稲荷崎高校はインターハイ予選優勝校なこともあり、シードスタートなため、2回戦目からが初参加だった。特に何も起こらず、2セットを先取してストレートで勝つ。
孝太さんのところ勝ったようだった。
観客席で孝太さんと目が合い、話しかけられる。
「Aちゃん、やっほー。勝ったんか?」
『勝ちましたよ。孝太さんも順調に勝てたんですね、おめでとうございます!』
「この調子でお互い勝ててったら、決勝で会うことになるなぁ」
『まぁでも、ウチはマネージャーなんで。頑張ってるのは選手たちです。』
なんて話していると、またみんなのことについて探られる。まぁいずれ戦うことになるなら、探りを入れたくなるのもわかるが……
『どれだけ聞いても話しませんよ』
ははは、と笑って適当にあしらう。
「……」
『?……孝太、さん?』
「あぁ、すまんすまん。ほら、バレーのライバルってよりは、Aちゃんを取り合うライバルって感じだから気になって!」
『ぇ、ウチですか?』
「はは!赤くなってるで、かわえぇなぁ。」
頭をポンポンとされる。
「じゃあお互い勝ったら決勝戦でな?」
『は、はい。』
嵐のような人だ……
撫でられた頭に手を置いて固まる。少しチャラいと思っていたけど、こういうことをさらりとやるあたり、すごい。
治「……何してんの?」
『あ、治さん。』
377人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:七瀬七海 | 作成日時:2024年3月6日 23時