丸メガネ女は前途多難【HQ】 (ページ47)

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『すみません、遅れちゃいました』

「大丈夫。俺も今来たところや。」

今日は日曜日、部活のオフの日が重なった孝太さんとウチは、遊びに行くことになった。

で、デート、で合ってるのかな？

少し浮かれて買ったばかりのワンピースを着てしまった。

「そこのカフェ、俺の友達が前おすすめしてくれて行ってみたかったん。」

『あぁ、この前テレビで特集やってましたね。』

「パンケーキが美味いらしいで？」

20分ほど並んでいると、やっと席が空いて店内へと案内される。それぞれパンケーキや紅茶を頼んで、いつもLINEでやりとりしているような他愛のない会話をする。

「そういえばさ、」

来週から春高の予選始まるよね

急に声のトーンが変わって少し驚いた。

『そうですね。』

「チーム的にはどんな感じ？インターハイ準優勝だったよね。」

『うーん』

あんまりチームのことを詳しくは話したくはないので、適当に誤魔化す。

『最終調節に入りました。』

「あの双子コンビは？相変わらず雑誌に載ったりしてるよね」

『そうですね』

「俺は最後の春高だから、全力で行くで」

「応援してます！でも、」

ウチらも負けないです。

相手の目を見て言う。

孝太さんの高校と稲荷崎はシードは別なので、お互いが勝ったら決勝戦で会うことになる。

負けない、負けたくない。

そう思うのは当たり前のことだった。