丸メガネ女は前途多難【HQ】 (ページ37)

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侑視点

侑「Aー、シャワー貸してくれてありがとう。って、ええ？」

銀島「しーっ、今寝たところや。」

角名「さっきはしゃいでたもんね。」

治「子供やなぁ」

お風呂から上がると、Aがベッドの上でスヤスヤと寝ていた。頭から海に突っ込んだ俺に、Aが風邪を引かれても困るといっていたので、お言葉に甘えてシャワーを借りたのだ。

正直、一人暮らしの女子の風呂場を借りるのは気が引けた。こいつには貞操観念というものがないのだろうか。

銀島「俺ちょっと友達から呼ばれたから帰ろうと思ったけど、お前らどうする？」

角名「んー俺も帰ろうかな。でもA置いていって大丈夫かな？」

治「起こしてみるか？Aー、俺ら帰るけど。」

ゆさゆさと治がゆするが、Aは何かモゴモゴと言葉を言うも、夢の世界から戻ってこない。

『ぉ、おにぎ、り……』

治「無理そうやな」

角名「双子残っていてあげたら？俺実は今日申請出してなかったから早めに帰んなきゃダメだし。」

侑「せやな、とりあえずAが起きるまで待つわ。」

2人を見送り、治とAが起きるまで待つ。

治「どうする？待ってる間ゲームでも借りる？」

侑「ふふっ、甘いなぁサムは。」

少しくらいイタズラしてもええやろ、と、ベッドの上に無防備に寝るAの頬をつつく。

メガネを外して寝る彼女の顔は、とても幸せそうだった。

治「な、何言うとんねん。あほか、」

侑「もーそう言って、サム悪い顔してんで？」

口では否定しつつも、頰がにやけてしまってる片割れに、こちらもニヤリと笑ってしまう。

ちょっとだけなら、そう言って、Aの耳に手を当てた。