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目を覚ますと夕方だった。
あ、部活、無断で休んじゃったな、なんてぼんやりと考えているとカーテンが開いた。
保健室の先生に、いろいろ問い詰められたが、ケンカに巻き込まれただけです。と答えて帰ろうとしていると、治さんがやってきた。
『あ、あの、治さんが連れてきてくれたんですか?』
治「……」
『おさむ、さん?』
黙り込む治さんに少し不安になる。
やっぱり迷惑かけちゃったから、マネージャーやめろとか言われるのかな。
いや、やめさせられたは癪だから自分からやめてやろうか、なんて自暴自棄になっていると、北さんもやってきた。
保健室の先生は、もうとっくに退勤の時間が過ぎていたらしく、心配そうにしながらも帰っていった。
北「侑から、問いただしたわ。」
『……ぇ』
北「侑の言ってることを100%信じれんから、聞くけど、侑に直接殴られたりはしたか?」
『……侑さんからは、されてないです。』
治「嘘や!!」
治さんが口を開く。
治「だって、A、さっき言ってたで?侑に向かってごめんなさい、殴らないでって、あいつに殴られたんやろ!?」
『お、治さん……』
北「治、落ち着き。A、ほんまか?」
『はい。本当です。侑さんには何もされてないです。』
流石に侑さんに殴られてたら、保健室どころではなかったと思う。それこそ病院沙汰だ。
治「ごめん、守れんくて。ごめん。」
治さんに抱きしめられる。あぁ、思い出した、さっき抱きしめてくれたの、治さんか。
『な、泣かないで、ください。』
治「侑は、俺が殴ったから。」
『え、えぇ?』
急な告白に困惑する。そんな堂々と北さんの前で言って良いのか、と北さんの方を向くと、追加で説明された。
北「今日は部活無しにしたんや。そんで、事情を知ってる人だけで侑を問いただした。治に殴らせる許可をしたのは、侑が全部薄情したからや。」
最近自分と仲良くしてたのは過激なファンたちに嫉妬させるため
嫉妬した彼女らが自分に暴力を振るのを止めなかった
これに懲りてマネージャーを辞めて欲しかった、そして暴力を振るった彼女らも学校を退学になれば一石二鳥だと思った
……
『北さん、侑さんのどこまで案内してもらえますか。』
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作者名:七瀬七海 | 作成日時:2024年3月6日 23時