1.1 ページ3
長い入学式が終わり、教室での先生の話が終わった。友達を作ろうとか、考えるよりも先に教室を出た。
バレー部が練習している体育館はどこかわからなかったが、すぐにわかった。人混みができている。絶対あそこだ!
『こんにちは!バレー部の見学に来ました!』
人混みを押し退けて体育館の中まで入ると、去年活躍していた選手たちがみんないた。
こちらへ向かってくる尾白アランさんが見えて感動する。やっぱり、生で見るとでかい!
アラン「新入生か?すまんな、ここ男子バレーボール部やねん。」
『はい!マネージャーになりに来ました!』
周りがザワザワし始める。
何か変なことを言ったかな?
アラン「すまんな、うちマネージャー募集してないんや」
『えっ!?ほんまですか!?』
アラン「去年とか一昨年の主将が断っとってな。あとうちの双子が反対するから……」
『え、そ、そうなんですね……』
やばい、かなり恥ずかしい。
下を俯くと、周りの声が耳に入る。
「え?何あの子」
「ウチのバレー部にマネージャーがいないのって常識だよね」
「新入生?地味な見た目して派手なことするなぁ」
「どうせ宮兄弟目当てやろ」
確かに、去年の試合を見てもマネージャーはいなかった。ただその年たまたまいなかったのかと思っていたが、考えたらわかるだろう。募集すらしてなかったのだ。
顔が熱くなり、恥ずかしさに耐えきれずその場から離れようとする。
「ええんやない。俺は別に反対せんけど。」
アラン「北!?でも、あいつらが何言うかわからへんで?」
肯定の声を上げた人を見る。
北……と呼ばれた人は、去年の大会では見なかったが、周りの反応を見ると、部長、もしくは主将の立ち位置にあたる人なのだろう。
北「君、何ができるん?」
『は、はい!バレーボールは経験者なのでルールは一通りわかりますし、審判もできます!スコア表書いたりとか、雑用ならなんでもやります!』
北「ええやん、真面目そうな子やし。」
な、なんかわからないけど、マネージャーになれそう……?
頭の上にハテナを浮かべていると、後ろから話し声が聞こえてきた。
377人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:七瀬七海 | 作成日時:2024年3月6日 23時