検索窓
今日:53 hit、昨日:66 hit、合計:175,313 hit

3.6 ページ19

「Aって女いる?」

『はい?』

「あんたが……ちょっとこっち来て。」


見た事ない女子の先輩方に連れられて、人通りの少ない廊下へ歩いていく。少し薄暗くて、静かで、声がよく響く。



「あんた、舐めてんの?」

『ぅ、え?』

「バレー部に入ったマネージャーがいるって聞いたから、どんな美人が入ったのかと思ったけど……」

「こんな丸メガネのダサ女だったとはねぇ?」

「最近治くんと仲良さそうじゃん。男たぶらかして楽しい?」



壁へ壁へと詰め寄られる。

なるほど、と全部を理解した。この人たちはきっと、バレー部のマネージャーになりたかった人たちだ。そして侑さんとか治さんとかを狙う人たち。


「ねぇ?どうやって取り入ったの?」

「気持ち悪いんだよ、メガネのくせにぶりっ子してんな」

『あの、勘違いです……』

「は?何がだよ!?」


ドンッと、壁を蹴る先輩。

なんとかしてここから逃げなきゃと、思ってもないことが口からベラベラと出る。


『こ、こんな丸メガネのダサ女に、先輩たちが仲良くしてくれるわけないじゃないですか!そもそも、入部を許可してくれた3年生の先輩だって、きっと同情したんですよ!ウチがダサすぎるから可哀想だって!』

こんな女に振り向きもしないですよ〜と手を大袈裟に振る。

「……確かに、あんたみたいなの好きになるわけないか。」

『そうですよ!』

「でも、忠告だから。」




あんまり調子に乗るなよ、と告げて彼女たちは去っていった。







『な、なんとか耐えた』

3.7→←3.5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (76 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
377人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:七瀬七海 | 作成日時:2024年3月6日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。