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あ、やばい、謝らないと。
『あの、ウチが悪いんです!試合止めてすみません!』
北「Aは黙っとき。」
『はい……』
見たことない北さんに言葉が出なくなる。今までチームの雰囲気が悪くなったり、侑さんと治さんが暴走したりなど、そう言う時に喝を入れるのは見たことがあった。その時よりも、遥かに怖い。
北「侑。」
侑「は、はい。」
北「ブロックアウトかどうかは俺もちゃんと見てないからわからんけど、さっきのサーブはアウトや。」
侑「……」
北「あと、お前はAのことを毛嫌いしすぎや。せっかく審判やってくれてんのに、それじゃ失礼やろ。あと例え春高とかちゃんとした試合でも、審判にそんな態度とるんか?」
侑「……取らないです。」
北「せやろ。良い加減大人になり。あと今、Aが落ちてたらどうするつもりやったんや。」
間髪を入れずに侑さんを問いただす北さん。正直、注意してくれるのは助かるが、怖すぎて立てない。てか、審判台から落ちそうになったのもあって怖すぎて立てない。よし、降りよう。
説教モードの北さんを横目に審判台を降りる。
治「大丈夫か?流石に侑やりすぎやわ。」
赤木「すまんな。俺が先にアウトやったってちゃんと言っとけば良かったわ。」
『い、いえ、大丈夫です。』
しょんぼりと俯く侑さんを見て、少し申し訳なくなる。
『き、北さん。ウチも強く言い返しちゃったし、悪かったです。練習止めてすみませんでした。』
そう言って深々と礼をする。
北「……せやな、Aに悪いとこがなかったとは言えん。でもな、仮にも次の大会で、インターハイで全国目指してるチームがマネージャー1人でゴタゴタすんのもあかんし、審判に対して文句言うのもあかん。それを侑は理解せんと。」
わかったか?と、侑さんの方を向く北さん。
侑「……すんまへんでした。」
北「俺やないやろ。」
侑「A、すまん。」
あ、初めて名前で呼ばれた。と感動しつつ、自分も反省する。
『こちらこそ、すみませんでした。』
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作者名:七瀬七海 | 作成日時:2024年3月6日 23時