3.2 ページ15
今日は試合形式で練習を進める。
北「いつもは控えメンバーに審判やらせてたけど、今日はAにやってもらおうか。」
助かるわ、ありがとう。と言う北さん
練習なので線審も副審もいない。そのため全部私が判断する。
本番でやらかさないためにも、タッチネットはしっかり見るよう言われた。流石強豪校、しっかりしている。
ホイッスルを咥えて、冷静に判断する。
今のはアウト、今のはブロックアウト、今のはちゃんと入ってる。
正直審判をするのは好きだ。みんなのプレイがちゃんと見えるから、冷静に分析できる。
と、右のチームのスパイカーが左のチームにブロックアウトした。左のチームのブロックの手をスレスレにかすったから、これは右のチームの得点だ、とホイッスルを鳴らして合図する。
侑「ノータッチ!」
手をひらひらと上にあげる侑さん。
ノータッチ……つまりブロックはボールを触ってないというアピール。果たして、本当に触っていたかと不安になるが、審判が自分の意思をコロコロ変えてはダメだし、確かに触っていたと思い、ホイッスルをもう一度鳴らす。
侑「チッ、触ってないんやけど」
あからさまに機嫌を悪くする侑さん。
しかし試合は続ける。
ラリーが進んでいき、侑さんのサーブの番が来る。確か歩数にルーティンがあるだとかないだとか。そんなこと言ってたなぁと考えながら見守る。
フローターサーブ。
赤木「アウトォ!」
相手チームの赤木さんがアウトと言って取ろうとしなかったが、回転がかかる。しかし、インのように見えたが、ちゃんと線の外に落ちる。アウトだ。
ピッと、笛を鳴らし、アウトの合図を出すと、侑さんが怒鳴った。
侑「はぁっ!?今のインやろ!?入ったらやろぉ!お前の目は節穴か!?」
ここまで強く言われたのは初めてで、反射的に体がビクッと跳ねた。
377人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:七瀬七海 | 作成日時:2024年3月6日 23時