もう2度と、バレーボールはやらないと【HQ】② (ページ8)

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月島視点

今日、俺がバレーにハマった日でもあり、Aがバレーボールの楽しさを思い出した日だ。

烏養さんと武田先生の奢りでご飯を食べたあと、各々帰ろうとする。

山口「俺、嶋田さんのところに行ってくる！先帰っててツッキー！」

なんて言って走ってった山口を横目に、帰路へ着く。

『月島！俺も一緒に帰る！』

いつのまにか呼び捨てになった彼は、ニコニコと笑いながら横に並んだ。

月島「君、こっち方面じゃなかったでしょ」

『ふふふ……さっき無理したせいで先生達にしこたま怒られて、今から病院へ向かう途中である。』

月島「普通にバカでしょ」

ひょこひょこと特徴的な歩きをするAは、いつも通り寝不足気味の顔なのに、どこか楽しそうだった。

月島「今日はちゃんと早く寝なよ。」

『えっ、何で寝不足気味なの知ってるの！？』

月島「その顔色と隈でよく言えたもんだね」

でも今日はたくさん動いたし、ちゃんと寝れそう！なんて言って笑うA。

月島がいないとき、俺頑張ったんだよ！？あ、ブロックはやっぱり苦手だったけど、でもサービスエースも決めてさぁ！なんて、1人でぺちゃくちゃと喋ってる。

よくこんな喋るな、段々日向に似てきた。なんて思うも、レシーブやスパイク、サーバの上手さは認めざるを得なかった。

膝を庇いつつも、元々の身体能力に、梟谷で培った技術、Aはミスもほとんどしないため、今日もそれなりに活躍したのだろう。

はぁ……と、ため息をついて手を差し出す。

月島「病院、どこまで？」

『？、A町の市立病院。』

月島「悪化されると困るし、送ってくよ。」

そう言うと、嬉しそうに手を握り返してきたA。

夕日はもう沈みかけて、空には登ってきた三日月と、綺麗な1番星が光り輝いていた。