もう2度と、バレーボールはやらないと【HQ】② (ページ13)

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合宿が始まって数日が経つ。

各々の性格やプレイスタイルがわかってきた。

試合形式で練習を進める。たまに白鳥沢の3年生が来て相手もしてくれた。

『(確かに、貴重な経験だ……。)』

天童さんから直々にブロックを教わる。

手は前に、無闇にボールを追いかけて振らない。

鷲匠「A、ちょっと来い。」

『はいっ！』

鷲匠先生に呼ばれて、廊下へ出る。

以前聞いた、整形外科のOBさんと個室で話す。

「……なるほど、少し大きめの病院に行った方が良いかもしれないですね。」

『お、大きめですか？』

「はい、大学病院に知り合いがいるので、紹介状を渡しておきます。ちゃんと検査した方がいいかと……」

冷や汗がながれる。

『俺の足、そんなにやばいんですか？』

「……はっきりとは言えない。何もなければそれでいいんだけど、とりあえず調べてみた方がいい。」

何かあってからは遅い。

まるで過去の自分に言われているようだった。

「もし、何かあれば、君はもう2度と、バレーボールができなくなる。」

『……もう、2度と、』