もう2度と、バレーボールはやらないと【HQ】 (ページ40)

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試合開始、早々に白熱のラリーが始まる。

『東京の春高出場校は3校まで絞れるけど、宮城で一校に絞るには勿体無いくらい……』

山口「青葉城西も強いところなんだけどね……」

『……ウシワカ……白鳥沢か。』

ユースに選ばれるほどの実力者、牛島若利率いる白鳥沢は、おそらく決勝であたるであろう相手。

『……厄介だなぁ』

1セット目の中盤、選手交代で月島の代わりに入る。

烏養「ぶっ放してこい！調子よければそのまんま入っててもいいぞー！」

武田「Aくんなら大丈夫です！」

『……はい！』

日向「Aー！！」

「「「「一本ナイサー！！！！」」」」

声援に肩を押され、エンドラインのその奥へ足を進める。

『(足が震えるのは仕方がない、けど、)』

大丈夫、あの頃と同じように飛べば、

『…っ！！』

手に当たったボールは、リベロの方に向かう。

……サービスエースは無理か、

影山「充分。」

「「「チャンスボール！！！」」」

変な曲がり方をした球は、リベラの腕にあたるも、こっちのコートへ戻ってくる。

影山が、もうトスをあげている。

　 “飛べ”

そう言われたようだった。

『……っはいよ！』

思いっきり床を踏み締める。

バックアタックだと思ってなかったのか、ブロックは少しバラけていた。

手にボールがあたる感触。

あぁ、俺、バレーボールやってる。

そう感じた。