もう2度と、バレーボールはやらないと【HQ】 (ページ25)

今日:107 hit、昨日:46 hit、合計:109,780 hit

6.1 ページ25

しばらく俺は色んな人の家を転々とした。

母さんは父さんと話したらしく、しばらく父さんは仙台にいるそうだ。

学校にはもう乗り込んでこないが、マンションにはほぼ毎日来るらしい。

烏野の人たちは優しくて、先輩たちまでもが心配してくれた。

いつのまにか谷地さんはバレーボール部に入る決意をしたらしく、俺だけが宙ぶらりんの状態だった。

武田「Aくん、一緒に合宿行きませんか？」

『……いや、でも、』

武田「Aくんのお父様が今仙台にいるのなら、東京に行ってしまえばいいのではないでしょうか。さらに、合宿はそれぞれの高校の敷地内で行われるので、もし着いてこられても入り込まれる心配はないでしょう。」

『……また、迷惑かけるかもしれないですし。』

日向「あ！A！それやめようぜ！！」

練習中の日向が、こちらに向かって走ってくる。

日向「迷惑なんてかかってないし！助け合いだよ！」

『助け合い？』

日向「そう！俺らだってAのアドバイスでいつも助かってるからな！」

田中「そうだぞ！A！こういう時は、先輩の俺に任せなさい！！いつだって不審者は追い返してやるぞ！」

悪い顔をした田中さんに肩を組まれる。

俺、ここにいてもいいんだ。

頼ってもいいんだ。

『……俺も、合宿行きます。東京に、行きます。』

そして俺は、再び東京へ向かうことにした。