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5.3 ページ23

これは夢だ


夢だってわかってるのに



あの時の景色が鮮明に蘇る。


タイムを取る監督

心配そうに駆け寄る、木兎さん

止まらない鼻血のためにティッシュを持ってくるマネージャー

背中をさすってくれる赤葦さん




観客席からこちらを睨む父さん




膝が痛い。頭も痛い。立てない。



「っ、!A!A!!」

『ッッ、はっ、……や、やめて……』

月島「A!!」


月島が呼んでいる。

ここ、は、月島の家?なんで?

あ、そうか、泊まったんだ。あいつから逃れるために。


『ぁ、いつ、あいつが、来る……』

月島「、来るわけないでしょ。とりあえず、起きれる?水飲んで落ち着いて。」

『ごめん、なさい。ごめん……もう、飛べないッ』

月島「……?」

『もう、ばれーぼーるは、できない。できないっ!だから…なぐら、ない、で……』

月島「は?殴らないでって、どういうこと?」

『……』




また目を閉じる。


眠りではなく、気絶だった。



俺の体と心は、とうに限界を迎えているのに、




それでも夢も現実も、バレーボールが俺を襲う。

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作者名:ましあ | 作成日時:2024年2月29日 19時

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