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これは夢だ
夢だってわかってるのに
あの時の景色が鮮明に蘇る。
タイムを取る監督
心配そうに駆け寄る、木兎さん
止まらない鼻血のためにティッシュを持ってくるマネージャー
背中をさすってくれる赤葦さん
観客席からこちらを睨む父さん
膝が痛い。頭も痛い。立てない。
「っ、!A!A!!」
『ッッ、はっ、……や、やめて……』
月島「A!!」
月島が呼んでいる。
ここ、は、月島の家?なんで?
あ、そうか、泊まったんだ。あいつから逃れるために。
『ぁ、いつ、あいつが、来る……』
月島「、来るわけないでしょ。とりあえず、起きれる?水飲んで落ち着いて。」
『ごめん、なさい。ごめん……もう、飛べないッ』
月島「……?」
『もう、ばれーぼーるは、できない。できないっ!だから…なぐら、ない、で……』
月島「は?殴らないでって、どういうこと?」
『……』
また目を閉じる。
眠りではなく、気絶だった。
俺の体と心は、とうに限界を迎えているのに、
それでも夢も現実も、バレーボールが俺を襲う。
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作者名:ましあ | 作成日時:2024年2月29日 19時