もう2度と、バレーボールはやらないと【HQ】 (ページ18)

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どうやってここにいることがわかったのか、そもそもなんで宮城にいるのか、とか、どうでもいいことを考えてしまい、逃げ遅れた。

……否、本当は怖くて足が動かなかったのだ。

山口「あれって……確か……」

影山「志麻隆弘？」

田中「言われてみたら、少し、似てる……」

バレたくなかった。

こんなやつが父親だなんて。

武田「……志麻さん、困ります。校舎内に勝手に入ってこられては。」

「俺はAの保護者だ。立ち寄る権利はあるだろう。」

武田「違います。Aさんは今、星宮Aで、母方の方に引き取られたので、貴方とは戸籍上他人です。」

「チッ……おい、A、帰るぞ！」

『ッ、や、やめ、』

うるさい、うるさいうるさい

あいつの声も、俺の心臓も

怖くて動けない。

無理やりあいつに手を引っ張られる。痛いのに、文句を言ったら殴られるかもしれないから、何も言えない。

月島「ちょっと待ってください。」

「あ？？なんだ、てめぇ」

月島「今警察呼びました。そのまま彼を連れて行ったら現行犯で逮捕ですよ。」

「だからおれは保護者だって」

武田「ちがいます。Aくんの保護者は、星宮さんだけです。」

「ッ！！くそっ！A！せっかく強豪の梟谷に入ったのにお前はそれでいいのか！？こんな弱小校で何ができるって言うんだよ！！」

『やめて……もうなにも言わないで……』

「お前、家に帰ったら覚えとけよ。今マンションに住んでるんだよな？帰ったらまたトレーニングだからな。」

そう怒鳴って、あいつは出て行った。