Anniversary 3 ページ19
｢は、英先生!?｣
急に声をかけられ、思わず驚いてしまう。
｢そのネックレスが欲しいのかい？｣
｢あ、いや…英先生に似合いそうだなって思って｣
｢…ちょっと待ってて｣
英先生は、そう言ってどこかへ行ってしまった。
どうしたんだろうか…？
しばらく1人で店を見て回っていると。
突然、うなじに冷たい金属の感覚と重さがあった。
驚いて振り返ると、にっこりと笑う英先生。
｢大輝とお揃いだよ｣
そう言って、英先生は己の付けているネックレスを軽く持ち上げた。そこにはさっき俺が見ていた、赤い石のネックレス。
自分の首元を見ると、同じデザインで石が青いネックレスが下がっていた。
｢大輝が私のことを考えてくれたものだからね｣
記念にプレゼントだよ、と。
英先生は笑った。
買い物の後はジェットコースターに乗ることになった。
2人掛けのシートなのだけれども…
｢大丈夫大丈夫、怖くない怖くないないないない…｣
明らかに隣の山科先生がやばい。
ずっと1人でブツブツ言っている。
大丈夫かな…？
恐る恐る隣を見てみる。
｢大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫…ｯ!!!!｣
全然大丈夫じゃなかった。
涙目じゃん。顔真っ青じゃん。
俺はそっと山科先生の手の上に自分の手を重ねた。
｢!?大輝くん…？｣
驚いた顔をする山科先生。
俺は少しだけ手に力を込めた。
｢こうしていれば、怖くありませんよ｣
｢……ずるいよ、大輝くん｣
｢何か言いました？｣
｢なぁーんにも｣
最後は観覧車に乗ることになった。
2人ずつ乗っていくという謎のシステムが気になるが…気にしたら負けか、こういうのは。
俺は大和先生と乗ることになった。
｢おぉー…高い｣
観覧車から見た外の景色は、オレンジの夕暮れに染まって…。
まるで現実じゃないみたいだった。
観覧車の中もオレンジ色に染まる。
｢きれー…｣
｢ね、素敵だね｣
大和先生も隣でしたの街を見下ろす。
｢…何か、変な感じですね｣
｢何が？｣
｢だって、俺たち先生と生徒なのに｣
｢…あぁ、そういうこと｣
｢でも、今日はとっても楽しかったです！大和先生に会えてよかった｣
｢え…？｣
｢今日、大和先生に会えてなかったら、こんな楽しい1日になってませんでしたよ｣
｢え、あ…それも、そうだね｣
微かに笑う先生。
｢また、皆で来ましょう｣
｢…その時は、違う形がいいな｣
｢え？｣
｢んーん、何でもない｣
微かな非日常は。
オレンジ色に染まって俺達を包み込んだ。
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赤林檎(プロフ) - nowa-ruさん» あ、あああありがとうございます！更新とか遅いかも知れませんが、よろしくお願いします!!頑張ります!! (2018年4月26日 19時) (
レス) id: 31ca2c0948 (このIDを非表示/違反報告)
nowa-ru - めっちゃ面白かったです！応援してます！これからも頑張ってくださいね！ (2018年4月26日 18時) (レス) id: 3c667cfde4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤林檎 | 作成日時：2018年4月20日 18時
