17,昔の記憶 ページ20
私が顕現した時、丁度近侍だったのが鶴丸だった。
偶然、鍛刀部屋に居合わせていた乱につられながら、鶴丸と初めて会った時、鶴丸の笑顔はとても輝いていた。
そして、何もかも初めてな私に二人は特に色々教えてくれた。
実は、ここも最初の頃は、多少振り回されてはいたが、まだ普通の本丸だった。
しかし、色々な刀が出てきて、審神者業に追われていくうちに、主の欲や荒々しい性格がどんどん激しくなっていった。
そんなある日、鶴丸と大倶利伽羅についての話をしていた。
鶴「最近主、伽羅坊の扱い悪くないか?」
「それ、私も思ってた。そろそろ危ないよね。」
鶴「相変わらず手入れする気なさそうだしよ。」
「今、私近侍だし、出陣表に伽羅ちゃんの名前があったら、こっそり私に変えとくよ。」
鶴「わかった、そうしてくれ。」
実の所、危ない刀を入れ替えたりしてたことはあった。
私がするのは初めてだったけど、タイミングとかはわかってるから、大丈夫だろう、そう思っていた。
そうして、その日の夜、翌日の出陣表の名前を伽羅ちゃんと私で書き換えた。
はずだった。
「…え、なんで。」
次の日の出陣表には、伽羅ちゃんの名があったのだ。
気づいたのは、もう出陣する直前。
ここからの変更は不可能だ。
そしてそのまま出陣して行き、帰ってきたのは、伽羅ちゃんではなく、折れた刀だった。
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片瀬(プロフ) - 更新楽しみにしてます☺️ (2023年4月16日 22時) (レス) @page3 id: fce4ac1cc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかり | 作成日時:2023年4月16日 9時