男審神者の後悔 ページ46
『事故だと！？ふざけんなっ！！』
知らない男が怒鳴りこんできた
出来損ないは何処だ、と玄関をぶち壊してやって来たんだ
『あのババァも居なくなって知らぬ存ぜぬか？あぁ！？』
『事故だっていってんでしょ！！事故だって！うっさいわね』
『お前に任せるんじゃなかった！』
はじめてみる男だ
母さんの男にしては気性が荒い気がする
『主に子供が居たの？初耳なんだけど』
『息子はあるだろ』
『娘の話だよ』
それと関係性が良くわからない連中が数名
同い年のようにもみえるが、不鮮明過ぎる
『さにわだかはにわだかしんないけどさぁ！！ほったらかしにしたあんたが悪いのよ！？あのガキのせいで私は彼氏に逃げられたんだからっ』
玄関一つの犠牲で済んだのは良かったのかもしれない
去り際にみた男の顔は恐ろしく《無》だったのだから
母さんは暫く喋らなかった
何も、全く、微動だにさえせず、蒼白な表情で座り込んでいたんだから
『女の子！女の子か！！きっと可愛いだろうなぁ』
審神者になって早４年
息子はまだ中学生くらいだっただろうか
俺より聡明かもしれない
『名前？そうだな』
いずれは兄妹でと夢見ていたのにこの様だ
『A』
『A？』
『あぁ。きっと可愛いさ』
審神者だったばっかりに、出遅れちまって
ダメな親父じゃねぇか
「主」
「あ？俺は今、腸煮え繰り返ってるんだが」
「見ろ。あそこに奇妙なのがいる」
「奇妙？」
成人するまでは現世との繋がりを持つべきだと呈した政府が勝手に預けたのが妻の義妹
自尊心の塊で強欲で家族の手に終えず家出したと聞いていた
そんなところに政府が預けた意味もわからん
「あーまんばいる！！」
「あ、こら！」
迎えにも行かせて貰えなかった
だから息子に様子を見てきてくれと頼んだ
「小さいの、俺が見えるのか？俺たちが」
「？」
「いや違うか。何故、鶴丸国永と一緒に居るんだ？君は…」
奴等を蹴落としてでも俺が来るべきだったと悔やしくて堪らない
「やめろ。国広…わかる年頃じゃない」
「でもさー、主…この子もしかして」
「！！やすすだっ！！ぺぺんとーたべよ？まんばのもあるっ！のさだがね、なかよくたべなさいってくれたのー」
「「ぺぺんとー？」」
「金平糖のことだ。すまんな、主が」
「みんなでたべたらおいしねぇ…」
はじめてみた娘が霊体なんて悔しいだろう？
「…おじさんもはいっ！！」
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夢ぽてと(プロフ) - 清藤〇さん» コメントありがとうございます！亀更新ですが、頑張ります！ (2019年11月3日 15時) (
レス) id: dc72360ccd (このIDを非表示/違反報告)
清藤〇(プロフ) - 定期的に読み返すほど好きな作品です...久しぶりに更新されていて歓喜でした。体調にお気をつけてこれからも更新待ってます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: 71409fbe97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢ぽてと | 作成日時：2018年11月8日 15時
