地獄の沙汰も�� ページ39
「鶴丸？」
知り合いなど居ない地獄で鶴丸は振り返った
「君は？君とははじめましてのはずなんだが…」
「あなた本当に鶴丸国永なの？五条の刀の」
年頃の娘が良く知っているものだとゆっくり目を見開く
桜を溶かした様な薄い桜色の髪をした娘に見覚えはない
「やけに詳しいな」
「そんなことより何故、こんなところに居るのかしら？」
「君には関係ないだろう？」
「大有りだわ」
仁王立ちしていた彼女は先へ行こうとする鶴丸の腕を掴んだ
「あなたのような神が…な、ぜ」
「？」
「どうして、どうしてあなたからAの気配がするの？」
「Aを知っているのか？」
「Aは審神者になった…？いや、そんなはずは…だってあの子はあの家で」
「まて君。少し詳しすぎるぞ？一体、Aとどんな関係なんだ」
まるで彼女は自問自答するかのようにぶつぶつ独り言を溢した
鶴丸が両手で肩を掴み、激しく揺らすまでずっと視線が合うことは無かったのだ
「どんな…って言われるとご近所さんとしか」
生前、家が近かったのだと彼女は語り
「地獄にAが居ないから心配していたの」
Aが死んだ後に彼女も命を落としたそうだ
「あなたの所に居るのなら話は早いわ」
忘れては行けないのはここが地獄だと言うことだ
彼女も何かしらの業を背負っているということ
「閻魔は優しい人だけれど仕事には真面目で融通は利かないのは知ってる？」
「ああ。口説くのが大変だったんだろう？」
「なんて？」
「昔、密約を交わした男がぼやいていたのさ。閻魔は人が良いが頭が固いとな」
「なるほど。それで口説き落とした、ね」
何処までが本当なのか分かったもんじゃない
彼女は知りすぎていた
「Aの罪が重くなって来ているの」
「は？」
「あなた急いで帰って、Aにっ」
「待ってくれ！！どういうことだ？…重くなってきているなんて」
「それは、多分何か横槍が入っているとしか分からないわ」
「横槍？一体、なんの？罪が重くなるなんて…死んだ人間になにが出来るというんだ」
「あるじゃない」
Aのことも
地獄のことも、審神者のことも
「罪を重くするもっとも簡単な方法が」
やたらと詳しすぎて怪しい、と鶴丸は彼女を睨んだ
「君は歴史改変が起きているとでも言うのか」
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夢ぽてと(プロフ) - 清藤〇さん» コメントありがとうございます！亀更新ですが、頑張ります！ (2019年11月3日 15時) (
レス) id: dc72360ccd (このIDを非表示/違反報告)
清藤〇(プロフ) - 定期的に読み返すほど好きな作品です...久しぶりに更新されていて歓喜でした。体調にお気をつけてこれからも更新待ってます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: 71409fbe97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢ぽてと | 作成日時：2018年11月8日 15時
