最悪の出会い ページ3
現世、早朝
《NEWSです》
《少女がお風呂場で溺死》
《母親、兄が外出していた為に発見が遅れたと考えられ…》
ぴちょん
ぴちょん
………ぽちゃん
齢4歳の少女の魂は雫が地面へ落ちると同時に見知らぬ門の前に落ちた
目覚めた時に目に映ったのは隈取りをしたくりくりしたお目目の狐様
「きちゅね！！」
少女は指差して言いました
覚えていたのは自分の名前のみで何処で何をしていたかは記憶になかった
嬉しさにも似た高揚に塗り替えられた瞬間に不安は欠き消される
「わたくしはこんのすけともうします！」
「こっ」
「こんのすけですっ」
「こんちゃん！」
「はい！！」
喋る狐に違和感を抱かず、力一杯抱きしめ頬擦りをした
「今日から此処がA様のお家でございます！」
「おうちーーー」
「行きましょうっ」
「あいっ！！」
其所が何処で何なのか、年端もいかない子供に疑問を持つはずがなく
好奇心に駆られて寂れた門を意気揚々と潜った
「性懲りもなく来たな」
風を斬る音だけがAの足を立ち止まらせた
鐘を叩いた鈍い音に上から殴られたような衝撃波にAは尻餅を着いた
「ほぅ、これはまた奇っ怪な」
抜刀した大きな影をしっかり目に焼き付けている間にこんのすけは二人の間に割り込み毛を逆立てる
「政府も能無しではなかったか…」
「ええ。馬鹿じゃないので」
「余計な事を…」
Aが見上げて見えたのはこんのすけの背中
立ちはだかる男の殺意など知るよしもなくまるで危機感はなかった
「こんのすけよ。そこをどけ」
「出来ませぬ」
「なに、俺が下せぬのは承知だろう？斬り捨てなどせん」
体格の差故か滲み出る力の差故か冷や汗が凍りつく様な
地面に足の裏が縫い付けられた様な感覚に襲われた
「安心しろ」
こんのすけはプログラムでありながら死さえ覚悟し、力の差は歴然だった
渋々こんのすけは身を引かざる得ない
「お前、幾つになる」
「ん！」
「四つか」
彼は目を細めて冷やかな瞳で一人と一匹を見下ろした
「ついてこい」
「あいっ」
抜刀した刀を鞘に納めた彼は踵を返し、玄関の奥へ一人歩いていく
「A様、廊下を走るのはめっでございますぞ」
「ぁーい…」
「それから、お名前聞かれたら元気よく挨拶をしましょう」
「あい、さつ？」
「はい。お名前をしっかり言いましょうね」
「…Aです!」
「今じゃないです」
.
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夢ぽてと(プロフ) - 清藤〇さん» コメントありがとうございます！亀更新ですが、頑張ります！ (2019年11月3日 15時) (
レス) id: dc72360ccd (このIDを非表示/違反報告)
清藤〇(プロフ) - 定期的に読み返すほど好きな作品です...久しぶりに更新されていて歓喜でした。体調にお気をつけてこれからも更新待ってます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: 71409fbe97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢ぽてと | 作成日時：2018年11月8日 15時
