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サクラスタンプ(小夜左文字) ページ16

コロン

コロン


「あっ!とんくり!!」


コロン


「あっちもあるっ」


コロン


「とんくりいっぱい…だぁ」


Aが種蒔きしている最中に休憩しようとふと顔をあげた

すると大きなどんぐりが転がっていた


「とっとろいるかなぁっ」


それはまるで宝石のように輝いて見え、夢中で彼女は追いかけた







「つるー」

彼は好かれようが好かれまいが関係なく、人間に対して期待もしてはいなかった


「ここ、どこぉ…っ。つるー!」


自分が犠牲なることも抵抗はなかった

《見たものこそが全てである》と知っていた

それが諦めなのか、悟っているのかは彼自身でさえ分からない


「ぐす…っ。くにながぁっ」


「………」


だから、特別人間が憎いとか、盲目的に拒絶しようとか微塵も考えてはいなかった


「なに、してるの?」


ただ

穏やかに、自由に、静かに過ごせればいい

そう考えていた


「とんくりいっぱいぃ…とっとろ…がねっ」


「とん、くり?」


突然新しい審神者が来た

僕より小さな人の子を見たのははじめて


(どんぐりのことかな?)


良くわからないけど、此処に来たのは故意じゃないみたい


「僕は小夜左文字。君は?どうしてこんなところまで来たの?」


「さよ?Aはね、とんくりおいかけっこしてたの!とんくりはとっとろにあえるんだよ?」


「とっとろ?」


「うーん、ぱっってするとにょきにょきするんだよ?」


両手にもポケットにもどんぐりが一杯詰め込まれて溢れだして隙あらばコロンコロン落ちている


「あのねぇ。つるの分とね、のさだの分でしょ?そーざでしょ、みっちゃん…いっぱいあげるの!」


「うん」


「さよにもあげりゅぅ!!!」


「…ありがとう」


そう言えば宗三兄様がいってたっけ

人の親に殺された《可哀想な童》だって


「お礼に僕が鶴丸国永の所へ案内してあげる」

「えっ!!つるにあえるの?A、ひとりならない?」


「任せて。絶対会わせてあげるから」


僕よりも小さな手


「ありあとー!」


久しく見なかった綻んだ笑みが心地いい風のように心に吹き抜けて行った気がして


「さよっ!とんくり、もっこあげるー!」


「いいの?皆にあげるんじゃないの?」


「へーきっ。さよ、やさしい!いーこいーこしてくれた!!」


少しだけ体がぽかぼかするんだ


「Aね。さよ、だーいすきっ」


だからAが《可哀想な童》では無くなる手助けが出来るといいんだけど

.

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設定タグ:刀剣乱舞 , 幼女 , ほのぼの   
作品ジャンル:アニメ
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夢ぽてと(プロフ) - 清藤〇さん» コメントありがとうございます!亀更新ですが、頑張ります! (2019年11月3日 15時) (レス) id: dc72360ccd (このIDを非表示/違反報告)
清藤〇(プロフ) - 定期的に読み返すほど好きな作品です...久しぶりに更新されていて歓喜でした。体調にお気をつけてこれからも更新待ってます! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 71409fbe97 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢ぽてと | 作成日時:2018年11月8日 15時

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