サクラスタンプ（加州清光） ページ14
「かしゅー」
「なぁに？」
「かしゅーくりぃむ」
「んん？」
居ても居なくても同じというなら関わらない方が楽だ
「しゅーくりぃむはさくさくふわふわなんだって！！」
「そうなの？」
「うんっ。ふわふわーって」
「ふわふわー？」
そう考えて加州清光は人への期待を捨てた
愛されないなら可愛くする必要もない
何も考えなくていい、と言い聞かせていた
「かしゅーとしゅーくりぃむ…あわせてかしゅーくりぃむだね！！」
しかし月日が経てば何もなくなって
《退屈》になる
(しゅーくりぃむ、っておやつ系？)
密かに感じていた虚無に隠れた感情が加州清光の心を揺さぶり
廊下で鉢合わせした挙げ句、盛大に転んだAが火種となり好奇心に火がついた
「みっちゃんがね、そふとくりぃむくれたのっ。かしゅーもやすすもだべよ？」
「いやだよ。ていうか、気安く呼ばないでよ、しかも言えてないし」
「あ、良く分かんない機械ってソレ？」
「？？。A、わかんなーいぃ…みっちゃんつくてくれたのっ」
転んで擦りむいた膝を手当てした所、居座ってしまった
Aは加州清光の胡座の上に収まっている
「A」
「なぁに」
もちもちのほっぺが癖になりそう
小さな手で表現されるジェスチャーが何とも言えず
「お買い物いこっか」
「清光！！」
期待に満ち溢れたこの笑顔を曇らせる様な事はできないでしょ
「いくーーーー！！！」
その日、初めて俺はすたんぷを押した
安定は翌日
詳しくは教えてくれなかった
『やすすもはいっ！』
まぁ、見てはないんだけど
『いらないってば』
『なんでぇ？かしゅーかってくれたよ？やすす、Aとはんぶんっこいや？』
『…』
泣き落とされたと確信がある
『分かったよ！半分こなっ！！！あーもっ！！』
『っししし！いっしょ、おいしぃねぇ』
Aは人の顔色を良く伺う節があるようだ
怒りや拒絶に敏感で無関心を恐れる
「かしゅーー！やすす！みっけっ」
そして愛されたいと思っている
「何、また来たの？」
「いいじゃん、いいじゃん？いらっしゃーい」
「じゃましにきたよ！」
「邪魔しに来たの？嫌がらせ？馬鹿なの？」
まるで捨てられた俺たちと同じ
「安定多分、お邪魔しますって挨拶だよ。ほら見て、このどや顔」
「えっへん！！」
「褒めてない」
だからより愛に餓えているのはAなんだと俺は思う
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夢ぽてと(プロフ) - 清藤〇さん» コメントありがとうございます！亀更新ですが、頑張ります！ (2019年11月3日 15時) (
レス) id: dc72360ccd (このIDを非表示/違反報告)
清藤〇(プロフ) - 定期的に読み返すほど好きな作品です...久しぶりに更新されていて歓喜でした。体調にお気をつけてこれからも更新待ってます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: 71409fbe97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢ぽてと | 作成日時：2018年11月8日 15時
