サクラスタンプ ページ9
「こんちゃーーん！！」
「やや、A殿ではありませぬか」
燭台切光忠がAにソフトクリームを作ってくれた様で手にはしっかりとソレが握られている
厨から走って走って、こんのすけを探していた
「こんちゃ…ん？」
Aは狐と遭遇
動くし、狐だし、何より喋る
こんのすけの様に見えるのに何か違う気がして首が折れるのではと思うほどAは首を傾げ
まじまじと狐を見つめては何やら考え込んでいる様に見えた
「わたくしは鳴狐のお供にございますー！こんのすけ殿ではございませぬ」
「こんちゃん…ちがう？こんちゃんふえた…?」
「はわはわわ！それはそふとくりぃむっ！」
「うん！みったん、つくてくれたのっ」
「それはそれは！！早く、こんのすけ殿の元へ行きましょう。そふとくりぃむが溶けてしまいますぞ！？」
「！！！」
「それで…大泣きされたと」
「はいぃ！！」
Aを担いで障子に突進してきたお供の狐もこんのすけを見つけて安堵の涙がホロリ
お供の狐の背中にしがみついて離れようとしない
どうしたものか、と深い息を吐いた
「A様」
「こんちゃ…こんちゃっ、くりぃむなくなっ…」
「またお願いしましょう？彼ならきっと…」
「ぽいと、も…ない」
「お供とわたくしが着いていきますからねっ？大丈夫ですよ」
「…うん、みったんにごめなさいする」
((即オッケーだろうけど))
溶けたソフトクリームを落っことしたと落ち込んだとか
見るからに落ち込んで、目を真っ赤に腫らして中々、こんのすけと目が合わなかった
『役立たずの穀潰しが』
誰にだってトラウマのひとつやふたつあって
それは小さな子供とは言え例外じゃなく
「大丈夫ですよ！」
「お供も一緒ですからっ、ね」
「う"んっ」
こんのすけはAのトラウマを知っていた
欲しいものも欲しいと言えない
何かと取引しなければ貰えない高価な物だと知らぬ間に気づいている
なに不自由なく暮らせる豊かな現世のはず
それが如何に可笑しな事だったのか
(あなたは知るはずもない…)
誉められると嬉しい
お手伝いすると誉めてもらえてご褒美貰える
(欲しかったのは小さな)
話しかければ一杯構ってもらえる
(小さな幸だったというのに)
一杯お手伝いして一杯誉めてもらう
そうしたらきっと何か、良いことに繋がると
『A、ほんっと邪魔』
疑わなかった
(嫌われるのが怖いんですね…)
.
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夢ぽてと(プロフ) - 清藤〇さん» コメントありがとうございます！亀更新ですが、頑張ります！ (2019年11月3日 15時) (
レス) id: dc72360ccd (このIDを非表示/違反報告)
清藤〇(プロフ) - 定期的に読み返すほど好きな作品です...久しぶりに更新されていて歓喜でした。体調にお気をつけてこれからも更新待ってます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: 71409fbe97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢ぽてと | 作成日時：2018年11月8日 15時
