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Aside







「………先生、どうしよ…」






泣きそうで 気持ち悪くて



感情の整理がついてない私を見て、白布先生はある程度察したらしい。




それでも一応、

「何があった」って聞いてきた。





「どうしよう…どう…ああ、潔子にバレたら潔子に知られたら……」






『潔子にバレたら』





どんな、顔をするのかな。


でもとにかく知られたくない。




…そのくらい、私にとって潔子は大切で。






いつか潔子がどっかの男と結婚して、真っ先に結婚式に呼ばれる仲の良かった友人Aとして、このまま隠していたかった





もし 知られたら



まず驚かれるだろう。






でも



どうしたって距離が開くのは避けられない。








「…先生…なんで、なんで裏切ったの!?今、男子たちが話してたんだけど…なんで、」





気がつくと白布先生の服の裾を握っていた。







「何で…何でだろうな。Aにはわかんねーだろ。」





よく通る声で、そう言われた。


目の前が真っ暗になって。






「先生…っ!」





するり、と自然に手を繋がれた。


私がこんなに必死になっているのとは違い、白布先生は余裕があるようで、その表情は読めない。





こわい。


初めて、そう思った。






「…でもお前、清水には言わないんだろ、好きだって。そんなの最初から成り立たないのになんで知られたくないんだよ。」






無表情。


淡々とそう告げるのは、白布先生じゃないみたいだった。





「違うんです。もし潔子が99%の確率で私のことを恋愛対象として見てくれるとしても…私は、その残りの1%に賭けてでも知られたくない思いなんです。そのくらい私にとって大切で、重いんです。」






本当に好きだから知られたくない。


何も知らないふりをして、隣で笑っていたい。







それを壊したのは、先生じゃないか。






先生以外に誰が知っていると言うんだ。

こんなこと。







「……何でこんなことするんですか、答えてください。白布先生…」






気がつくと、泣いていた。




白布先生は繋いだ手を離す気配もなく





私は静かに、答えを待った。







「そんなに言うなら教えてやるよ。」






ぐい、と手を引っ張られ



先生との距離が一気に近づいた。






その一瞬、見えた白布先生の顔が歪んでいて



その瞳が冷たく、笑っていた。







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♪ちーちゃん♪(プロフ) - 面白かったです♪(*´ω`*)更新、頑張ってください♪(*≧∀≦*) (2017年2月6日 21時) (レス) id: d04ac98cdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年1月21日 10時

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