年下の君が言うことを聞いてくれない【轟焦凍】 (ページ3)

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プロローグ2 ページ3

ハッとして目が覚める。

目の前には真っ白な天井。

最初は運良く生き残って病院に入院したのかなと淡い期待をしていたがそんな気持ちはすぐに打ち砕かれた。

周りを見渡せば子供用のリュック、机、本が綺麗に整頓されている。おそらく子供の部屋だろう。

立ち上がって歩こうとして見るもつかの間、うまく立ち上がれずその場に転がり落ちる。
うまく重心がかけられない。

ベッドに寄りかかろうと手を伸ばして唖然。

私の手が一回りもふた周りも小さくなっている。

物凄く混乱して訳分からなくなって、小1時間ただただ泣いた。

涙が枯れるなんて言葉があるが、まさにその通りになった。

その後現状を徐々に把握しだし、頬をつねり、動き、寝て……と結局元には戻らずなくなく家を探索。

分かったのは祖母らしき人物と2人暮らしということだ。

祖母らしき、というのはその人が重度の認知症で意思疎通があまり出来ずじまいだったからだ。

いったいこんな生活でどうやって今の私は生活してきたんだ。幼児と高齢者が集まっても何も出来ないぞ。

何も分からないまま迎えた二回目の人生は怒涛の日々だった。

特に辛かったのが小学生時代。

別に学校が辛かった訳では無い、家庭が問題だったのだ。

帰ってきたら、祖母の世話に料理、洗濯…と何から何まで自分ひとりでやった。

個性のおかげでバイトもできた。夜勤で働き、昼間の授業は寝る。

休みという休みがなくひたすら働き働き働き…。
その間に祖母は脳梗塞で亡くなった。

認知症と思ってた病状は脳梗塞の後遺症だったということをその後に知らされた。

医療費で出来た借金は祖母の生命保険で返済した。

なんとも後味が悪い。