年下の君が言うことを聞いてくれない【轟焦凍】 (ページ13)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:64,347 hit

過去の話6 ページ13

「本当にいいの？右使わなくて」

不安そうに聞いてきた子供に私は「大丈夫」と微笑んだ。

実際右がなんなのかわからない以上使われたら使われたでそれは私が困る。
不確定要素すぎるわ。

手には先程コンビニで買ってきたガスバーナーが握られている。

料理などによく使われる手で持つタイプのやつだ。

そしてガスバーナーの噴射口を男に向けた。

手元についているトリガーを引けば瞬く間に炎が吹き溢れた。

「んー、威力が少し足りないかな」

如何せん、思ったより氷が丈夫でなかなか溶けそうにない。

何かほかにいい案はないかとあたりを見渡すも、私が先ほど出した楽器くらいしかない。

ん......？楽器？これ使えるのではないか？

私の個性〈シノアリス〉は武器によってできるものが違ってくる。

杖が回復なら、剣は攻撃。本は能力ダウン。
楽器なら能力アップという風に。

この場合ガスバーナーの能力アップとして使えそうだ。

あれ、てかこの個性そもそも無機物...生きていないものにつかえたっけ。
ゲーム内では人間、キャラクターに対して使っていた気がするが......。

まあいい、どうにでもなれだ。

とりあえず能力を発動っと......ん？
この楽器ならぬシンバルを叩けばいいんだよね？
そしたら能力アップするんだよね？

シンバルを両手に手にしてたたいた。

バーン、バーン......。

「......お姉さん何してるの？」

「...うん。お姉さんもわからない」