〈82〉※ ページ37
side PINK
数回嘔吐していたが、以降も気分の悪さはまだ残っているらしい。
でも落ち着いたといえば落ち着いたタイミング。
｢ん…っ、…はぁ、…吐けな…｣
俺はそんな北斗の左側にいて、慎太郎が右側にベッドに腰掛ける形で寄り添う。
｢苦しいね……水飲む？口ゆすぐだけでも｣
慎太郎が近くにあったペットボトルを渡す。
｢……はぁっ。んっ、つー｣
受け取って口に含むと飲み込む前に苦しそうな表情で、頬を抑える北斗。
んで、暫くして、ごっくん。と飲んだけど、
｢っ、オウェッ…はぁっ。はぁっ。ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ｣
今度はまた激しく吐き始めた。
また自然と頬のあたりに北斗自身の手が当てられる。
｢はぁっ…ﾊｧﾊｧ…ｳｯ゛｣
また吐くものが無くなったのか、声を漏らすだけ。
少しでも楽になって欲しくて、どんな言葉かけたらいいかわかんないけど、とにかく背中を擦る手に力が入る。
段々傾いてくる北斗の身体。
少し冷や汗をかいていて、俺に体重がかかる。
…のを、遠慮しようとしてるのか、寸止め。
｢先生呼ぼうね。
タオル取るからちょっと待ってて｣
それを知ってか知らずか、慎太郎が立ち上がって、北斗には右側の支えがなくなって。
｢ごめ、……ﾊｧﾊｧ｣
俺の肩に、北斗の頭が乗っかる。
息を切らして、大きく胸を上下させて呼吸する。
謝らなくていいのに。
さっきからことある事に、｢悪い｣とか｢ごめん｣とかばっかり。
｢新しいやつ置いとこうね。これポイしちゃお｣
少し落ち着いたのか、北斗は、ん。と声を漏らす。
北斗がもうぐったりだから、俺が慎太郎からタオルと新しいガーグルベース受け取って、慎太郎には悪いけど、後処置はお願いすることに。
｢その前に口ゆすぐ？｣
慎太郎がペットボトルの蓋を開けて渡す。
｢いたい…くち…｣
嫌そうに水を含み、少しだけ音を立てて、吐き出した。
タオルで顔や口周りを拭いている、絶妙なタイミングで今井先生がやってきた。
｢口内炎ですね。
吐き気の他に症状はありますか？｣
だから頬を抑えていたんだ。
口内炎が染みて痛くて、水飲むのも一苦労なんだね。
｢…はぁ…ぁ…ま｣
小さく呟いた北斗の声は正直聞こえなかったけど、
｢頭痛いの？｣
そう尋ねると、また、ん。とだけ答えた。
先生が色々と指示をして看護師さんが点滴をいじる。
｢…遠慮しなくていいから、楽な体制でいなよ？｣
俺が何言っても嫌がると思いきや、北斗は俺にもたれていた。
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あーちゃん(プロフ) - きいなさん» コメントありがとうございます！ご愛読嬉しいです(><)ホントここからは北斗くん苦しめちゃうので、中々更新に悩みがついてきますが、何とか頑張ってみます！気長にお待ちください！ (2019年8月16日 13時) (
レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
きいな(プロフ) - 面白い！と言ってはいけない内容な気がしますが、楽しく読ませていただいています。無理のないペースで書き進めてください。楽しみにしてます(^^) (2019年8月15日 18時) (レス) id: 0c41f161d1 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 梨朝さん» 御返事遅くなりすみません！お待たせしましたが、物語的には新章突入です。SixTONESにとって、北斗くんにとって、ベストな決断であったかどうか。これからその答え合わせです。お楽しみに！ (2019年8月2日 23時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
梨朝(プロフ) - ドラマのことを考えて泣いてしまいました…涙 これから北斗くんはどうなってくんでしょう。楽しみにしてます！ (2019年7月31日 0時) (レス) id: e1ee29d5a9 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - あーちゃんさん» 丁寧なレス、ありがとうございます！完結まで頑張ってください！読んでいきますので！これからの展開、楽しみにしてます！ (2019年7月28日 21時) (レス) id: 0abd04aca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2019年7月15日 7時
