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「......ほん、とに？」
「ごめん、だからもう、帰らないと」
「なんで」
「これ以上一緒にいたら、Aのこと傷つけるかもしれない。...生きてる姿見れただけでも、十分すぎるくらい嬉しいよ」
ラウの声が少しずつ遠ざかっていく。
まって。いかないで。
そう言いたいけれど、ラウの気持ちも痛いほどよくわかるから黙ってるしかなくて。
もう、行っちゃうの？
「またね」はないの？
これで、さようならなの...？
そんなの嫌だ。
小さくなっていく足音を全力で追いかけて腕を伸ばせば、想像よりもはるかにがっしりとした身体に抱き着くかたちになる。
「っ離れて！A！」
「やだ、絶対嫌！！」
「お願いダメだ、俺はAのこと悪魔になんかしたくない...！」
「きゃ、っ」
後ろから抱きしめたわたしの腕はすぐにラウに振り払われて、身体が後ろ向きによろける。
「A！！」
転ぶ、と思った瞬間背中を支えてくれた手は、記憶の中にあるそれとは全然違う力強さで。
でも、あの時繋いだ手と同じあたたかさで。
転びかけたわたしを支えてすぐに離れていったその寂しさに、目から熱いものが滑り落ちた。
「.........ラウ、いかないで」
「......」
「もうラウと離れるのはいや、ずっと一緒にいたい」
「......」
「ねえ、ラウ...！！」
そう叫んだ瞬間、なにかあたたかいものに包まれた。
「泣くのはずるいよ」
「......ずるくないもん」
ラウ、こんなにおおきくなったんだ。
わたしと一緒にいない間、それでもラウなりに成長してたんだね。
その事実を改めて実感して、わたしをラウが受け入れてくれたことに心が震える。
「Aが寂しそうな顔してたら、俺離れられるわけないじゃん」
「そっか」
「知ってるくせに」
「うん、知ってるよ。......生まれたときから、一緒だったんだもん」
ラウも泣いてるのか、わたしを抱きしめたまま震える声でぽつりと呟いた。
「ごめん、A」
「なあに？」
「離れたくない」
やっと伝えてくれたラウの本音を聞けて、自分よりもずっと大きいラウを力いっぱい抱きしめ返す。
その時、ずきん、と目の奥に稲妻のような痛みが走った。
「っ、あ」
「痛い？」
「...いた、い」
「そうだよね。ごめん...」
「ラウのせいじゃ、ないから。わたしが、決めたことだもん」
「だとしても、Aが苦しむ姿は見たくない。ごめん、俺と直接触れ合ったから」
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灯莉(プロフ) - レモンさん» レモンさんはじめまして。最初からの読者様なんですね！ドラキュラ舘様、一本目ということもあってわたしも思い入れがあるストーリーなので嬉しいです。ありがとうございます(o´艸`) (4月20日 0時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - そして新作も楽しみです。 (4月19日 23時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 灯莉さんはじめまして。最初から読ませて頂きました。どのお話にもいろんな愛の形があるんだなぁと思いました。私は舘様のドラキュラのお話が大好きです。その後夢主ちゃんはどうなったのかも気になります。 (4月19日 23時) (レス) @page38 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年3月25日 21時
