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ふたりでママの誕生日のプレゼントを買いに行こう、と決めたのだ。
今になって考えればどうしてそんなことになったのかも分からないけれど、わたしたちは見たことも聞いたこともないような街に出かけることにしてしまった。
そうすれば、何が起こるかなんて大人なら誰にでも予想がつくことだろう。
そう、しっかり迷子になってしまった。
もちろんラウは耳が聞こえないから迫り来る自動車や危険に気づけないし、わたしも目が見えないから帰り道を探すことは困難の極みだった。
まだ「検索」という発想がなかったわたしたちは、とにかく必死に歩き回って帰り道を探した。
けど、ラウからしたら知らない景色が立ち並ぶ街、わたしからしたら何も分からない異国の地のようなもの。
何時間もふたりきりで歩いているうちに気持ちはどんどん落ち込んでいって、本当に帰れるのだろうかと不安になったときだった。
「A、大丈夫だからね」
「......うん」
ラウが不意にわたしの手を取ってぎゅっと握った。
わたしにとっては、それがすごく嬉しくて嬉しくてたまらなくて。
結局帰ることはできずにママが迎えに来てくれたけれど、家に着くまでずっとラウはわたしの手を握ってくれていた。
かたく繋がれた手のあたたかさを、今でもよく覚えている。
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灯莉(プロフ) - レモンさん» レモンさんはじめまして。最初からの読者様なんですね！ドラキュラ舘様、一本目ということもあってわたしも思い入れがあるストーリーなので嬉しいです。ありがとうございます(o´艸`) (4月20日 0時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - そして新作も楽しみです。 (4月19日 23時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 灯莉さんはじめまして。最初から読ませて頂きました。どのお話にもいろんな愛の形があるんだなぁと思いました。私は舘様のドラキュラのお話が大好きです。その後夢主ちゃんはどうなったのかも気になります。 (4月19日 23時) (レス) @page38 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年3月25日 21時
