・ ページ31
わたしは、生まれつき目の見えない天使だった。
そして双子の兄のラウールは、耳がほとんど聞こえない天使だった。
天使は人間よりずっと高等な生き物だから、ラウは聞こえないだけで話すことはできた。
いつもラウが見えたものについてお喋りを始めては、わたしがスマホに話しかけて、表示された文字をラウが読んで。まあ、わたしは文字なんて見たことがないからそれがどんなものか知らないんだけど。
ラウが見えたものの音が聞こえた瞬間は、「同じ景色を共有できてるんだ」って嬉しくなったし、お互いにしか分からないことを出し合って一つの形が見えてくるあの何気ない毎日が大好きだった。
でも最初は全然うまくいかなくて、もう何も伝わらないから喧嘩にすらならないくらい酷いものだった。
「ラウ、ラウ！！これたのしいよ」
「......」
「ねえラウ、」
「A、おなかすいた。ごはんたべよ」
見えていない自分の目が他の天使とは違うんだってこと、耳の聞こえないということがよく分かっていなかった頃は、話しかけても返答がない、違う話を被せられることは当たり前。
けど、ちぐはぐだったわたしたちの関係が大きく変化した出来事があって。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 409人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
灯莉(プロフ) - レモンさん» レモンさんはじめまして。最初からの読者様なんですね！ドラキュラ舘様、一本目ということもあってわたしも思い入れがあるストーリーなので嬉しいです。ありがとうございます(o´艸`) (4月20日 0時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - そして新作も楽しみです。 (4月19日 23時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 灯莉さんはじめまして。最初から読ませて頂きました。どのお話にもいろんな愛の形があるんだなぁと思いました。私は舘様のドラキュラのお話が大好きです。その後夢主ちゃんはどうなったのかも気になります。 (4月19日 23時) (レス) @page38 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：灯莉 | 作成日時：2024年3月25日 21時
